旧安倍派元会計責任者「還付再開、幹部会合で決定」 衆院予算委が聴取 不記載、議員側に求めず
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250228&ng=DGKKZO87020890X20C25A2PD0000
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【コメント】
- 国会の予算委員会の重要事項である「政治とカネ」の解明がようやく動き出しました。
- 昨日、予算委員長らが有罪が確定している旧安倍派の元会計責任者を非公開で事情聴取をしたようです。
- 事情聴取後に予算委員長が内容を紹介する記者会見を行いましたが、会計責任者と旧安倍派幹部らの証言に食い違いがあることが明確になったようです。つまり旧安倍派幹部らが「決めていない、指示していない」と述べていることに対し、会計責任者は旧安倍派幹部らの決定に基づき販売ノルマ超過分の還付を再開したと明確に述べたようです。
- 会計責任者は企業で言えばCFOであり、CEOから不正処理の指示があったとはいえ実行してしまうことは問題であり、会計責任者の有罪判決は妥当と思います。しかし旧安倍派幹部らが罪に問われないことには大きな疑問を感じます。
- 「野党すべての党が要請し実現できたことは意義があった」と立民野田代表が述べているようですが、事情調査を行ったことに満足せず、問題の本質がどこにあるのかを徹底して追求してほしいものです。
【記事概要】
- 衆院予算委員会の理事会は27日、自民党派閥の政治資金問題を巡り、都内のホテルで旧安倍派の元会計責任者だった松本淳一郎氏を非公開で聴取した。政治資金パーティーの販売ノルマ超過分の還付再開を決めたのは2022年8月の幹部会合だったと証言した。
- 安住淳予算委員長(立憲民主党)や自民、立民、日本維新の会、国民民主党の各理事らが約45分間、聞き取った。理事を出していない公明党、共産党は傍聴した。
- 議事録によると、松本氏は22年8月の再開を決めた幹部会合で「異論はなかったと思う」と語った。同年7月に再開を求めた議員の名前は明かさず「今は現職ではない」と述べた。
- 松本氏と旧安倍派幹部らの証言の食い違う点については「不思議だなと思った」と話した。
- 還付は前任の事務局長から引き継いだと説明した。いつ慣例が始まったのか、前任に聞いたが「知らない」と言われたと明らかにした。安倍晋三元首相が死去した22年7月以前に、還付をすることは「おかしい」と異を唱えたとも語った。
- 安住氏は聴取後、国会内で記者会見を開いた。「(松本氏は慣例を)よくないことだと幹部に伝えた。それを無視して堂々と再開するのはなおさら派閥幹部の責任は重い」と指摘した。
- 松本氏への再度の聴取や、歴代の旧安倍派会長の参考人招致に否定的な考えを示した。
- 松本氏は政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で禁錮3年、執行猶予5年とした東京地裁の有罪判決が確定した。安住氏は松本氏が現在は民間人である点などを配慮し異例の対応を決めた。
- 参考人招致は憲法62条に基づく。出席は任意で、虚偽証言を述べても偽証罪に問われない。聴取方法や場所、公開・非公開といった規定はない。