トランプ氏「ゼレンスキー氏、米国を侮辱」 協定署名せず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28DHU0Y5A220C2000000/
【コメント】
  • 日本時間の今朝4時ごろ、ワシントンでウクライナのゼレンスキー氏はトランプ大統領などと会談をしました。
  • 記事に両者のやり取りが記載されていますが、国のトップ同士の会談とは思えない激しいやり取りがあったようです。
  • トランプ氏は、ロシアのプーチン大統領との間に入りロシアに有利な条件でとにかく停戦をまとめようとしているかに見えます。
  • これに対し、ゼレンスキー氏は、最初に侵略してきたのはロシアである点を国際的に認識することを強く望んでいるように見えます。
  • 強国(ロシア)が弱国(ウクライナ)を侵略したことを、その侵略を強国(アメリカ)が擁護するようなスタンスで和平を取りまとめて良いものなのでしょうか?
【記事概要】
  • トランプ米大統領は28日、米首都ワシントンのホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。記者を入れた会談の冒頭で激しい口論になり、予定していたウクライナの資源権益に関する協定への署名を見送った。共同記者会見も中止した。
  • トランプ氏は会談後、自身のSNSで「ゼレンスキー氏は大切な大統領執務室で米国を侮辱した。平和の準備ができたら戻ってくればいい」と投稿した。
  • ゼレンスキー氏はトランプ氏とウクライナにある石油・ガスを含む資源の共同開発などを盛り込んだ協定に署名するため、訪米した。資源開発から得られる収益の50%を拠出する基金を設立し、ウクライナの復興などに充てる内容で調整してきた。
  • トランプ氏は会談冒頭で「世界の利益のためにこの問題を終わらせたい。私は物事を前に進めたい」などと発言した。
  • 続けて同席したバンス副大統領がバイデン前米大統領を念頭に「米国では過去4年間、プーチン氏に強硬な発言をする大統領がいた。行動よりも発言の方が重要であるかのように振る舞った」と決めつけた。「外交への関与がトランプ氏のやっていることだ」と主張した。
  • そこで、ゼレンスキー氏が「聞いてもいいか」と割って入った。ウクライナ侵攻に踏み切ったロシアのプーチン大統領に言及し「(ウクライナ領クリミアを)2014年に占領した」と指摘。「いまトランプ氏がプーチン氏を阻止しているが、14年は誰も止めなかった」と唱えた。
  • プーチン氏が停戦合意に違反したと振り返り「J.D(バンス氏)が言う外交とは何か。どういう意味か」とただした。バンス氏は「大統領執務室にやってきて米国メディアの前でこの問題を扱うのは失礼だ」と応じ、雰囲気が一変した。
  • トランプ氏はゼレンスキー氏に「第3次世界大戦を起こしかねないギャンブルをしている」と批判した。「ウクライナが兵士不足なのに停戦を望んでいないと言っている」などとまくし立てた。
  • ロシアによるウクライナ侵略の停戦協議で「あなたはカードを持っていない」と改めて主張した。「あなたを支援している国に対して失礼だ」と不快感をあらわにした。ロシアとの戦いで「あなたは勝っていない。我々のおかげでうまくいく可能性が高い」と持論を展開した。
  • 28日に署名予定のウクライナの資源権益を巡る協定を念頭に「あなたにタフな男になる力を与えた。その契約に署名すればもっと良い立場になる」と唱えた。「態度を改めなければならないので、難しい取引になるだろう」と警告した。
  • ゼレンスキー氏が声をあらげて反論する異例の応酬となり、過去にロシアのプーチン大統領が停戦合意を破棄したと指摘した。すると、トランプ氏は「プーチン氏はオバマ、ブッシュ(両元米大統領)との約束を破ったかもしれないが、私との約束は破っていない」と主張した。
  • 同席した米国のバンス副大統領は「一度でも『ありがとう』と言ったことがあるか」と声をあらげた。バンス氏と口論を続ける様子をトランプ氏は険しい表情で見守り、ゼレンスキー氏に「あなたはいま本当に良い立場にはいない」とクギを刺した。