よぎる「昨夏の急落」 日経平均、大幅反落 日銀利上げ観測/米景気に不安
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250308&ng=DGKKZO87209550X00C25A3DTC000
【コメント】
  • 最近、日米ともに株の先安感が広がっています。
  • 円高、日銀の利上げ観測、米景気低調を表す経済指標、特にトランプ関税の先行き不透明感は株式市場に大きなインパクトを与えています。
  • 昨年8月、世界的に株式が大暴落しましたが、その際の状況に酷似しているとの分析もあり、今後大きく下げる可能性にも言及しています。
  • 短期的視点で株式投資を行っている方々は秒単位で要注意ですが、10年単位のスパンでコツコツと積立投資をされている方には絶好の機会と捉え自然体でそのまま積立を行なっていくことが適切かと感じます(投資は自己責任で!)。
【記事概要】
  • 7日の日経平均株価は大幅反落し、終値は前日比817円(2%)安の3万6887円となった。トランプ米大統領の関税政策への懸念が続くうえ、日銀の追加利上げ観測の高まりが売りを加速させた。米景気不安を背景に、市場では2024年8月に日本株が急落した際の環境に重なるとの声が聞かれる。目先は波乱含みとなりそうだ。
  • 東証プライム市場に上場する約7割の銘柄が下げた。投資家の慎重姿勢が強まるなか、4451円安と過去最大の急落劇に見舞われた24年8月5日の市場が話題となった。
  • 「日本株には(米景気不安などをきっかけに急落した)24年8月のトラウマが残り、条件反射的なリスク回避の動きとなっている」。ゴールドマン・サックス証券のジョン・ジョイス証券部門エクイティ・グループ統括は、円高や米景気不安に対する日本株の投資家の警戒感の強さを指摘する。足元で急浮上するのが追加利上げ懸念だ。
  • 連合が6日に発表した25年の春季労使交渉(春闘)で傘下の労働組合が要求した賃上げ率が、平均6.09%と32年ぶりに6%を上回った。日銀の追加利上げへの思惑が広がり、10年物国債利回りが上昇。7日は一時前日比0.015%高い1.53%まで上げた。
  • 「トランプ大統領は日本が通貨安を誘導してきたと問題視する発言をしており、それを是正していることを示す上でも、追加利上げを進める見方が広がっている」と話す。景気引き締めにつながる利上げは多くの銘柄にとって逆風だ。
  • 米国経済の先行き不安も強い。2月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数は前月比7万7000人増と市場予想(14万8000人増)を大幅に下回った。
  • 「足元の外部環境が24年夏と似てきた」としたうえで、トランプ大統領の関税政策次第では「日経平均が1日で2000円下がることもありうる」と警戒感を示す。
  • AI関連は米国時間5日夕に発表した米半導体大手マーベル・テクノロジーの2~4月期の売上高見通しは市場予想並みにとどまり、6日に20%安となった。他の米半導体株も売られたのを受け、日本でもAI関連株に売りが広がった。
  • 24年夏の日銀の利上げが想定外だったり、24年は7月に日経平均が4万2000円台をつけ過熱感は強かったり、現在とは違いもある。それでも、投資家は慎重姿勢を崩せないでいるようだ。