公示地価、全国2.7%上昇 海外マネーがけん引 円安で投資7割増 東京23区商業地は11.8%上昇
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250319&ng=DGKKZO87447450Z10C25A3MM8000
【コメント】
  • 公示地価が発表されました。公示地価とは、土地の取引価格の指標としての役割や相続評価の目安、固定資産税評価の基準です。
  • 25年1月1日時点の公示地価の対前年上昇率はバブル崩壊後の1992年以降で最高となったようです。
  • 特に東京圏は住宅地/商業地共に大きく上昇したようです。
  • ドルベースでみた日本の不動産への投資額は、米国、英国に次ぐ世界第3位だそうです。理由は、日銀が利上げを進めていても比較的低金利な日本市場は海外勢にとって魅力的とのことです。
  • 最近の地価上昇は、バブル期と違って実需を伴っているとのことです。また、バブル期には消費者物価が2〜3%の上昇であったが地価上昇率は10%を超えていましたが、現在は消費者物価と地価の上昇率ほぼ同程度であり、不動産がバブル的な要素を含んでいるとはいえないそうです。
  • 不動産投資会社にとっては地価上昇は望ましいかもしれませんが、居住者にとっては固定資産税や相続税の負担が大きくなり迷惑な話です!
【記事概要】
  • 国土交通省が18日発表した2025年1月1日時点の公示地価は、全用途の全国平均が前年比で2.7%上昇した。伸びは前年の2.3%を上回り、バブル崩壊後の1992年以降で最高となった。人口減が進んでも、円安や低金利で調達コストの安い日本市場に海外からの投資マネーが集まっている。
  • バブル期の地価は上昇率が10%を超え、最大2~3%台で推移していた消費者物価の伸び率とは大きな開きがあった。現在は地価も物価も伸びはほぼ同じ水準で、資産インフレの色が濃かったバブル期とは様相が異なる。
  • 上昇をけん引したのは東京圏をはじめとする大都市だ。東京23区の商業地は11.8%上昇した。商業地の最高価格地点は19年連続で東京都中央区の山野楽器銀座本店となり、1平方メートルあたり6050万円と前年から8.6%上がった。背景には日本の不動産市場に流れ込む投資マネーの存在がある。不動産サービス大手の米ジョーンズラングラサール(JLL)によると、24年の国内の商業用不動産投資額は計5.5兆円で前年から6割ほど増えた。5兆円台に乗ったのは不動産市場にマネーが集まった15年以来となる。24年の不動産投資額のうち海外の投資家分はおよそ1兆円で、前年から7割ほど増加した。日銀が利上げを進めていても「比較的低金利な日本市場は海外勢にとって魅力的だ」と指摘する。
  • JLLが調べた米ドル換算の24年の投資額を国別に見ると、日本は米国、英国に次いで3位だった。都市別では東京がニューヨークに次ぐ2位となった。
  • 今回の地価上昇はバブル期とは異なり実需を伴っている。東京都心のオフィス空室率は2月に3.94%と需給均衡の目安となる5%を下回った。日本では新型コロナウイルス禍後に海外ほどテレワークなどは広がらず、住環境を含めた都市部への回帰が需要を生んでいる。
  • 足元で米国の関税政策などにより世界経済の不確実性が高まる。景気が減速すれば、日本に向かう投資マネーが減り、上昇が続いている地価に影響を与える。建設業では資材の高騰にくわえ人手不足により人件費も上昇する。今後もコスト上昇が続けば、地方を中心に商業地の再開発やマンション建設の見直しが広がる可能性がある。