金高騰、予想引き上げ続々 「年内3500ドルまで上昇余地」 トランプ関税や中銀買い増し
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250325&ng=DGKKZO87557430U5A320C2ENG000
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【コメント】
- 今朝は少しお金の匂いがする記事を取り上げました。
- 金(ゴールド)の価格上昇が止まりません。
- 記事では、トランプ関税の不透明性や地政学リスク(戦争)が、ドルの信任を低下させ、金に投資資金が流れ金相場の上昇を招いているとしています。
- ただ金相場はここ数ヶ月で上昇しているわけではなく、2020年ごろから安定的に上昇傾向にあります。コロナの世界的な蔓延を契機に、特に新興国の中央銀行は金の購入に極端に力を入れ始めていました。ドルの絶対的な信任がコロナを契機に本格的に揺らぎ始めたためです。ドルの金兌換停止が過去にありましたが、本質的にドルの価値の裏付けは金です。ですのでドルの信任が低下していけば、各国中央銀行が金を買い保有することは理にかなっています。
- そもそも古代より金は劣化が極めて少なく見た目も豪華な金属なので、その価値は安定的に評価されてきました。インドでは今でも金を日常生活の宝飾品として莫大に使用しています。加えて半導体をはじめさまざまな工業製品に金が使われていることから、需要は安定的に伸びています。一方、地球の地下に眠る金の量は限られているとされており、需給のバランスから見ても長期的に安定資産とされています。
- 新NISAではオールカントリーやS &P500の積立が主流ですが、株式の代替資産として金のETFも一考の価値はあると感じます(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 金(ゴールド)相場が初めて1トロイオンス3000ドルの大台を突破するまでの騰勢ぶりを受けて、主要金融機関が年内の価格予想の上方修正に動いた。
- 主要金融機関の間では、年内予想について3000~3200ドル程度に引き上げ、一時的にはさらなる上昇もあり得るとの見立てが相次いでいる。
- 各金融機関が主因としてあげる例が多いのは、トランプ米政権の政策リスクだ。鉄鋼・アルミに対する一律25%の追加関税などに動いており、今後も自動車向けや相互関税といった関税強化の方針を示している。米国の関税強化は自国の景気懸念にもつながっている。「米国発のリスクは安全資産とされる米国債やドルの保有で回避できないため、安全資産需要が金に集中している」
- 地政学リスクが強まる流れもある。
- 金価格を歴史的な高水準に底上げした要因として、中銀による記録的な金買いも見過ごせない。中銀は過去3年、年間で最高水準の1000トン規模を買い増している。「金は上昇相場が続いており、これまで崩れていない安心感や成功体験が広がっている。複数の金融機関が相場見通しを引き上げたことで、投資家は一段と強気に傾くのではないか」とみている。
- もっとも、金価格の見通しは上昇一辺倒というわけではない。「貿易摩擦の継続的な激化がなければ、金価格が下半期にさらなる上昇モメンタムを維持することは困難」との慎重な見方も示している。「米関税リスクのテーマ性が陳腐化すれば市場の関心は米金融政策に移るだろう。仮に米利下げ期待が後退すれば一転して金売りが進む可能性がある」と話す。