昨晩のプライムニュースを視聴していて、原丈人さんが出演していました。
「株主資本主義」ではなく「公益資本主義」を提唱しているかたです。もうすぐ「富める者だけの資本主義に反旗を翻す」という書籍が出版されます。非常にためになる内容です!
原さんのご意見は、
株主資本主義は、例えば従業員の報酬を低く抑えて出た利益は全て株主のものであるとする考えかたで、これが現代の富裕層(投資家)と貧困層という二極化を生じさせているものです。
これにより比較的投資余力の無い中間層がどんどん貧困層になっていっている世界的な現象を生じさせているということです。
中間層の存在は民主主義の根幹であり、中間層がしっかり存在する社会は確固たる民主主義を継続できます。今の日本のように相対的に貧困層が多くなるとバラマキ政治を良しとする傾向になり、バラマキ扇動家に迎合するようになり、最悪の事態は戦争に向かっていくということです。
投資家はIRR(内部収益率)が高い、すなわち短期で高いリターンが出る投資を良しとします。本来投資とは長期目線で良し悪しを判断するもので、短期利益追求は投資とは言わず「投機」といいます。投機はバブルの根源であり、いつか破綻し世の中に過度な混乱を招き、その皺寄せは貧困層に寄せられます。
会社は投資家だけのものではなく、社会の公器であり、会社は短期的な利益追求の手段であってはならず、長期目線で「従業員により世の中に役立つ商品やサービスを生み出すもの」であるという根本原則を改めて認識しなければならないということです。
例えば、株主への配当を増やすならば、同額従業員の給与を増やし、従業員に良い商品やサービスを産み出すマインドを高めるように、今は株主しかみていないコーポレートガバナンスコードを見直すべきとの主張です。
米国は、株主資本主義を徹底してきたことにより、特に製造業の開発力が低下し、現在の混乱を招いているとのことです。
これはそっくりそのまま今の日本にも当てはまります。