街角景気、4カ月連続悪化 4月、米関税影響 「回復に弱さ」下方修正
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250513&ng=DGKKZO88612680S5A510C2EP0000
景気後退確率73.2%に 3月、日経センター
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250513&ng=DGKKZO88612860S5A510C2EP0000
【コメント】
  • 内閣府の景気ウオッチャー調査と日本経済研究センターの景気動向の予想の記事がありました。どちらも冴えない数値です。
  • 米国の関税政策の動向やここのところ進展している円高の影響により、家計・企業・雇用とも4月の現状判断指数は低下。また半年後に景気後退入りする確率は約73%で景気後退の警戒水準を2ヶ月連続で上回っています。
  • 賃上げが進んでいるように報道されていますが、大企業の新卒の初任給と若手の賃上げ、あるいは首都圏のアルバイトの時給アップ、インバウンド関連企業の人手不足対応がクローズアップされているだけで、日本全体を見ればさほど賃上げは進んでいないのではないのではないかと感じます。
  • 一方で、日常生活関連の物価は大幅に上昇していることが普段の買い物で強く実感されます。
  • 物価上昇と景気後退が同時に進行するスタグフレーションが非常に懸念されます。
  • 生活防衛には最新のご注意を!
【記事概要】
  • 内閣府が12日発表した4月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、現状判断指数(DI、季節調整値)は前月に比べ2.5ポイント低下して42.6となった。米国の関税政策の影響を懸念する声が目立ち、全体では4カ月連続で悪化した。
  • 4月の現状判断指数の水準は2022年2月以来、3年2カ月ぶりの低さとなった。内閣府は調査結果からみた景気について「このところ回復に弱さがみられる」に下方修正した。3月は「緩やかな回復基調が続いているものの、このところ弱さがみられる」だった。
  • 家計動向関連は2.8ポイント低下の41.6と、下落幅が大きかった。
  • 企業動向関連は1.7ポイント低下の45.2だった。設備投資を巡り「自動車関税の今後の動きが見えないことで停滞している」(東海の鉄鋼業)などの声が聞かれた。
  • 雇用関連は1.9ポイント低下の44.1だった。北海道の職業安定所からは「米国の関税政策の見通しが不透明なことから様子見している企業が多い」との指摘があった。
  • 2~3カ月後の景気を聞いた先行き判断指数も2.5ポイント低下の42.7と悪化した。内閣府は先行きについて、賃上げへの期待がある一方で、価格上昇の影響があるほか「米国の通商政策の影響への懸念が強まっている」とした。
  • 企業動向関連は4.1ポイント低下した。うち製造業が7.1ポイント下落と大きく悪化した。「為替の動きが大きくなってきており、不安定な状況である」といった声があった。中国地方の輸送業からは「製造業の客の輸出意欲が急速に冷え込んでいる。2~3カ月後の新規の業務も見通せず中止になっている」との指摘があった。
  • 伊藤忠総研の武田淳氏は「3月までは物価の高騰による消費マインドの低下が目立ったが、4月以降は米国の関税政策の影響が広い産業で表れてきている」と指摘する。
  • 日本経済研究センターは12日、3月の景気後退確率を発表した。およそ半年後に景気後退入りする確率は73.2%だった。米国の関税政策が発効する前の駆け込み需要が一服し、幅広い業種で生産や出荷が抑えられたことが背景にある。景気後退の警戒水準である67%を2カ月連続で上回った。景気後退確率は内閣府が公表する景気動向指数をもとに計算する。