外国人増で財政改善66% 若年層が寄与、共生へ制度設計半ば
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250731&ng=DGKKZO90369360R30C25A7MM8000
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【コメント】
- 最近、街を歩いていると外国人の姿を非常によく見かけます。観光客が中心のようですが、実は在留外国人も相当に増加しています。
- 日本の人口減少と人手不足により、日常生活の各所に在留外国人の姿が見受けられます。特にコンビニでは、スタッフの過半数が外国人という印象があります。また介護施設や建屋の解体現場でも外国人スタッフの姿が急激に増加しているように感じます。
- 今朝の朝刊では、この在留外国人の増加が日本経済にとってポジティブに作用するであろうとの経済学者の分析が掲載されています。
- 在留外国人は、皆さん若く将来の日本にとって重要な働き手であろうと思われます。
- ポイントは雇い入れる企業が制度を整え、外国人の方々に暮らしやすい環境を提供することと、社会保険料の納付義務をきちんと説明し、制度に則った対応をしていただくことです。
- また、諸外国に比べ日本の外国人比率はまだまだ低く、日本人側の意識改革が進んでいない面があり、外国人と日本人の共生をいかに推進するかもポイントです。
- さらに言うと、外国人を受け入れることの根本原因は少子高齢化です。純血主義を言い募るわけではありませんが、やはり日本としての抜本的な対策は日本人同士の子供をより多く作り育てることだと感じます。
【記事概要】
- 日本経済新聞社と日本経済研究センターは経済学者を対象とした「エコノミクスパネル」で外国人政策について聞いた。在留外国人が増えることで財政収支が改善するとの見方が66%に上った。若い外国人労働者が人手不足を補完し、税や社会保険料の支払いも大きいためだ。外国人の定住や高齢化を見据えた制度設計を求める声も多かった。
- 2024年末時点の在留外国人数は約377万人と前年から11%増えた。外国人労働者の受け入れが経済に欠かせないとの見方がある一方、日本人の雇用との競合や、治安への悪影響を懸念する声もある。そこで47人の経済学者に「在留外国人の増加が平均的な日本人の生活水準の向上に寄与するか」を問うた。
- 回答は「強くそう思う」(6%)「そう思う」(70%)の割合が計76%に達した。建設や運輸などの分野では人手不足が目立つ。東京大の田中万理准教授(労働経済学)は「外国人の就業増加によりモノやサービスの供給不足や価格上昇が抑えられる」として受け入れのプラス面を強調した。
- 日本人の雇用との競合も限定的との見方が大勢だった。一橋大の森口千晶教授(比較経済史)は「実証研究によると外国人と日本人労働者は主に補完的関係にあり、日本人の賃金や失業率に負の影響を与えていない」と述べた。
- 多様性のメリットを重視する意見も目立った。東京大の仲田泰祐准教授(マクロ経済学)は「(外国人が)新しい考え方を職場にもたらすことは生産性向上につながり得る」と答えた。
- 在留外国人の増加を巡っては、生活保護など公的支出の増加や社会保険料の未納を不安視する見方もある。調査では「日本の財政収支の改善に寄与するか」も問うと「そう思う」との回答が66%だった。
- 外国人の増加が財政を改善させると経済学者が考えるのは、今の在留外国人が「若い」ためだ。法務省の在留外国人統計によると、24年末時点で20代と30代が在留外国人の55.9%を占める。
- カナダ・ブリティッシュコロンビア大の笠原博幸教授(国際貿易)は「外国人の受け入れ増は働き盛り世代の割合を高めて税収や社会保険料収入の増加につながる」と答えた。一橋大の佐藤主光教授(財政学)も「現時点で在留外国人は勤労世代が多く、給付による受益以上に保険料や税を負担している」と述べた。
- 外国人の受け入れが長期的に経済や財政の安定に寄与するかは今後の制度設計にかかっている。佐藤氏は「在留外国人の子弟への教育の確保や、高齢期を迎えたときの給付は十分な対応が求められる」と付け加えた。
- 現在、日本の外国生まれの人口は3%と経済協力開発機構(OECD)平均の11%を下回る。先行して移民を受け入れた欧州などでは社会への統合が進まず、外国人受け入れのコストが強調されるようにもなっている。
- 慶応大の小西祥文教授(実証ミクロ経済学)は「多様なバックグラウンドを持つ人々が持続的に共生しうる社会を実現するには、財政支出も含む包括的な多文化共生政策が必要だ」と述べ、長期的な視点を求めた。