世界株高、日本も急追 日経平均が初の4万5000円台 インフレ起点に資金循環https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250919&ng=DGKKZO91407960Z10C25A9MM8000
【コメント】
- 連日株式市場が経済の話題となっていますが、昨日は日経平均が初めて45,000円を達成しました。
- 2025年度の日本株の上昇率はS&P500を上回り、世界の株高基調にようやく追いつきつつある状況のようです。
- 最近の日本亜k部上昇の要因は、①インフレの定着 ②企業統治の改善 ③政治の混乱解消見通し といったところのようです。
- そうは言ってもPERが18倍近くとなっており、日本株は表面的には割高になっています。これに対し現在の株価を正当化する考え方があるようです。 PER18倍近くは今年の企業業績を前提に算定されていますが、今年はトランプ関税への対応が追いつかず一時的に企業業績が冴えない見通しとなっています。今年の企業業績予想も保守的ということもあり得ることに加え、2026年度の企業業績は着実に改善が見込まれることが想定でき、2026年度の企業業績見通しが出揃えば、現在の株価をベースにしたPERはさほど割高ではなくなるとの見方もあります。
- 今年度末までに、日本株は48,000円を達成するとの予想を出している金融機関もあります。さてどうなるでしょうか?(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 日経平均株価が18日、初めて4万5000円の大台に乗せた。世界的な投資マネーの膨張や人工知能(AI)がけん引する成長期待で、株価は世界で上昇が続く。日本株も賃上げなどを起点としたインフレ定着や、企業統治改革の進展、国内政治の停滞脱却への期待といった固有の上げ材料がそろう。日本株をディスカウント(割引)する要素が解消されつつある。
- 終値は前日比513円(1%)高い4万5303円となり、史上最高値を更新した。アドバンテストやソフトバンクグループといったAI関連銘柄に買いが集まった。17日には米連邦準備理事会(FRB)が9カ月ぶりの利下げを決定。「大きなイベントを無難に通過し、投資家の買い安心感につながった」
- 株高は世界的な現象だ。2024年末比でみた上昇率は日経平均が14%。米S&P500種株価指数(12%)などを上回るものの、韓国総合株価指数(KOSPI、44%)などには及ばない。
- 背景にあるのは投資マネーの膨張だ。米国は24年9月から利下げに転じた。欧州中央銀行(ECB)も同年6月から政策金利の引き下げに動くなど、市場にマネーを供給する圧力は強まる。物価高が続く日本も日銀の利上げペースは鈍い。
- こうしたなかで9月以降、日本株の上昇に弾みがついている。理由の一つはインフレの定着だ。物価が上がらず、賃金も伸び悩む停滞状態を日本経済は抜け出しつつある。変動の激しい生鮮食品を除いた消費者物価上昇率は、22年4月から3年以上にわたって政府・日銀が目標とする2%を上回り続けている。
- インフレが企業収益を押し上げ、賃金上昇につながるサイクルも動き出した。連合の最終集計で、25年の春季労使交渉の賃上げ率は5.25%と34年ぶりの水準に達した。名目GDP(国内総生産)は直近4~6月期に前期から年率換算6.6%の大幅増となり、635兆円まで拡大した。株式相場は長期でみると、名目GDPとおおむね連動してきた。
- 企業統治の改善も大きい。東京証券取引所が旗振り役を担う資本効率の向上が進む。自社株買いの金額は過去最大規模に伸びた。野村証券エグゼキューション・サービス部の佐野敬マネージング・ディレクターは「企業改革が進んだことで日本株のディスカウント要因が減り、インフレ定着というマクロ環境改善を評価した買いが入りやすくなった」と分析する。
- 政治の混乱が和らぐ期待が広がったことも一因だ。石破茂首相は7日、退陣を表明した。野党との政策協力次第の側面はあるものの、次期政権が景気刺激的な政策をとるとの見方がある。
- もっとも、上値を抑えかねない要因も残る。米国の物価高の再燃懸念だ。これまでの米国の金利低下は世界的なリスク資産買いの前提だった。利下げが遅れると長期金利に上昇圧力がかかる。
- AI関連銘柄の株高も急激だ。アドバンテストの予想PER(株価収益率)は48倍と、3月末の水準(28倍)を大幅に上回る。競合企業の台頭などで、株価は下落する可能性をはらむ。