アジア、景気減速に身構え  中東エネ依存が影 日経平均続落2033円安、韓国株は12%安https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20260305&ng=DGKKZO94794600U6A300C2EA2000

【コメント】

  • 今朝もやはりイランです。
  • ホルムズ海峡の実質的な封鎖を受け、日本を含むアジアに景気減速の見方が強まっています。
  • 特に韓国株の下落が激しいですが、これはエネルギーの輸入依存度が群を抜いて高いことによります。一方でマレーシアや豪州は依存度が低く株価に大きな影響はありません。
  • 日本は韓国ほどではありませんが、依存度は相対的に高く株価の下落もそれなりに大きくなっています。昨日の日本株は市場5番目の下落を記録し、55,000円を割り込んでいます。
  • 日本の原油備蓄は200日以上あると報道されています。この戦争が短期で終わりホルムズ海峡を原油輸送船が安全に航行できるようになれば大きな問題にはなりません。
  • 米国内の世論はこのイラン案件には決して肯定的ではないようです。トランプ大統領は秋に中間選挙を控えていますので、長期戦のポーズは示してはいますが、早々に終わらせたいのが本音かもしれません。が、、、トランプ大統領のエプスタイン疑惑の収束いかんかもしれません。

【記事概要】

  • 中東情勢の緊迫化でアジアの景気に先行き不透明感が出てきた。先行指標とされる株価は下落が相次ぎ、4日は日経平均株価が前日から2000円下げた。要衝のホルムズ海峡の封鎖で原油価格などが高騰するなか、アジアの中東依存度の高さが懸念されている。資源高騰は当面続くとの声が多く、インフレを助長すれば経済の逆風になりうる。(1面参照
  • 日経平均終値は2033円(4%)安の5万4245円となった。前週末2月27日に付けた最高値(5万8850円)からは一転、3日間で4600円超もの大幅安に沈んだ。
  • 2月8日の衆院選直前は5万4253円だった。自民党の圧勝に伴う成長期待で上昇してきたが、今週の下落でその効果を帳消しにした。
  • 韓国総合株価指数(KOSPI)は前日比12%安で取引を終えた。1日の下落率としては2001年9月の米同時テロの直後を上回り、過去最大となった。
  • アジア株売りのきっかけは前週末に始まった米国とイスラエルによるイラン攻撃だ。最高指導者ハメネイ師が殺害されたこともあり、当初は早期の停戦観測もあった。だがイラン側はホルムズ海峡封鎖や周辺国へのエネルギー施設攻撃など必死の抵抗を続けており、投資家心理はリスク回避に大きく傾いた。
  • 市場はエネルギー価格上昇が短期で収束せず、実体経済に影響を及ぼすシナリオを意識している。三井住友DSアセットマネジメント香港のシニアポートフォリオマネージャーのスタンレイ・タン氏は「エネルギーを輸入に大きく依存する韓国経済は確実に打撃を受ける」と分析。過去数日で韓国株と台湾株の持ち高を縮小したと明かす。
  • 米モルガン・スタンレーによると、アジアは全体でみたエネルギーの輸入依存度が最も高い地域だ。原油価格が持続的に1バレルあたり10ドル上がれば、域内総生産(GDP)成長率を0.2~0.3ポイント押し下げるという。
  • 同社が集計した国・地域ごとのエネルギーの輸入依存度(GDPに対する原油・ガスの貿易収支)と、代表的な株価指数の前週末比騰落率を重ねると、依存度が高いほど株式相場への売り圧力が強い傾向が見て取れる。
  • 例えばタイ。エネルギーの貿易赤字はGDPの6%に迫る。タイ総合指数は前週末から9%下落。4日は一時的に取引を中断する「サーキットブレーカー」が6年ぶりに発動された。
  • 一方、東南アジアの産油国であるマレーシアでは、クアラルンプール総合指数が1%安と下げ渋っている。
  • 英業界団体エナジー・インスティチュートの2024年の分析によると、輸入全体に占める中東地域の割合は、原油では日本が9割超、インドが5割に迫る。液化天然ガス(LNG)では韓国とタイが約3割に達する。米国とカナダは原油とガスでともに1割以下、欧州も1割程度にとどまる。4日の欧州株はアジアとは対照的に堅調に始まった。
  • インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは「投資家の懸念はエネルギー価格上昇の影響から、そもそも供給が確保できるのかにまで深まっている」と指摘する。
  • 大和アセットマネジメントの金春愛シニア・ストラテジストは「投資家は石油在庫の水準も注視している」という。例に挙げるのがインドで「在庫が持つとされる25日程度を超えて状況が長引きそうなら、売り圧力が再び高まりそうだ」と話す。
  • エネルギー価格の高止まりが長期化すれば世界的なインフレ圧力となりかねない。インフレ下では中央銀行が利下げに動きにくい。低成長と高インフレが同時に起きる「スタグフレーション」では、株などのリスク資産に下落圧力が強まる。
  • 中東情勢の混乱が収束に向かうまで、アジアの景気や市場は当面不安定な展開となりそうだ。