NY原油、タンカー炎上で100ドル再接近 「史上最大の混乱」株も大幅安https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12C6Z0S6A310C2000000/

【コメント】

  • 毎日不安な日々が続きます。
  • 実際にホルムズ海峡でタンカーが攻撃され炎上している様子を見ると原油価格は急騰しますね。今朝は一気に再度100ドルをうかがう水準になっています。
  • 日本では、備蓄している原油の放出やガソリンなどへの補助金で急場を凌ぐ施策は打ち出されてはいますが、長引けば我々の生活を恒常的に直撃します。レギュラーガソリンはすでに昨日200円/L近くとなっています。
  • ドル円も急騰(円安)しています。やはり有事にはドル買いなのでしょう。今朝は159円半ばで160円超えをうかがっている状況です。現在の為替は「投機筋が主導する過度な円安」とはいえず「実態経済による円安」なので、政府の介入に正当性があるのかが議論になっている様です。原油高と円安のダブルパンチが大きな懸念です。
  • ここ数日のトランプ大統領の発言は一貫性がなく、イランに差し込まれている感が否めません。停戦するにしても中間選挙を控えているトランプ大統領は苦しい立場です。ここにきてロシアのプーチン大統領がアメリカとイランの間に入る意向を見せているようです。親切で言っているわけではなく、この際一気に中東の利権を確保する狙いがあります。加えてトランプ大統領に恩を売って、ウクライナとの紛争を優位に進めたい狙いもあるようです。
  • 雑誌エコノミストは「A war without a strategy(戦略なき戦争)」とトランプ大統領を揶揄しています。

【記事概要】

  • 12日の米ニューヨーク市場で、国際原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物が一時、前日終値比11%高い1バレル97.19ドルに急伸し、再び100ドル台に迫った。中東地域での軍事衝突が収束する気配を見せず、タンカーへの攻撃や港湾の閉鎖が実体経済に悪影響を広げている。
景気不安でダウ平均739ドル安
  • 原油価格は連日乱高下している。9日には戦争の長期化懸念からWTIは119ドルまで上昇した。10日には米エネルギー省のライト長官がX(旧ツイッター)に「米海軍はホルムズ海峡を通過する石油タンカーの護衛に成功した」と書き込むと、一時70ドル台にまで下落していた。
  • 米株式市場でも原油高に伴う米経済の先行き不安が広がった。ダウ工業株30種平均は朝方から大幅安の展開となり、前日比739ドル安の4万6677ドルで引けた。景気敏感株や消費関連株が中心に売られた。
  • 国際エネルギー機関(IEA)は12日発表した月次の石油市場リポートで「中東地域での戦争が国際石油市場で史上最大の供給混乱を引き起こしている」と指摘した。IEA加盟国は11日、原油高の緩和を狙い、過去最大規模となる石油備蓄の協調放出を決めた。
炎上動画出回り、原油高に弾み
  • 12日には産油国イラクの港で原油タンカー2隻が攻撃を受け、炎上する動画や画像が出回った。同国の石油ターミナルも操業を停止した。11日にはペルシャ湾航路を経由しない港湾拠点として注目されていたオマーン南部の主要港でタンカーが攻撃を受けた。
  • プライス・フューチャーズ・グループのフィル・フリン氏は12日のリポートで「船舶が燃える動画が出回ると、原油(価格)は跳ねる」と指摘した。
  • ホルムズ海峡で攻撃を受け黒煙を上げるタイの貨物船(11日)=タイ海軍提供・AP
  • イランは徹底抗戦への構えを崩していない。最高指導者モジタバ・ハメネイ師は12日、選出後初めて声明を出した。エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡については事実上の閉鎖を「戦争の圧力の手段として使う」と明言した。
米政権の出口戦略見えず
  • 戦争の長期化は11月に中間選挙を控える米政権への逆風にもなりかねない。米国内の物価上昇への警戒から政権が早期終結を選択する可能性もある。
  • トランプ米大統領は9日に「戦争はほぼ完了した」と述べた。一方、ロイター通信によると、米情報機関は2週間近い軍事攻撃と指導者の殺害を経ても、イランの体制は崩壊に近づいていないと分析した。明確な出口戦略は見えていない。
  • トランプ氏は12日、自身のSNSへ「世界最大の石油生産国の米国は原油高で莫大な利益を得る」と指摘しつつ、イランによる核兵器の保有を防ぐことが「最も重要だ」と投稿した。
戦争の「長期化」が焦点に
  • カナダの投資調査会社アルパイン・マクロは12日付のメモで軍事衝突が最長で2カ月間続くと予想した。米世論はイランへの地上侵攻を支持していないうえ、イラン政府も体制維持に向けた内政の問題を抱える。両政権にとって「戦争の長期化は大きな政治的なばくちだ」と分析した。
  • 米証券会社レイモンド・ジェームズのパベル・モルチャノフ氏は攻撃を受けたイランや周辺国のエネルギーインフラの損壊は「まだ深刻なレベルではない」と指摘し、3月末までに戦争が終結すれば「4月の中旬には原油価格が正常化する」とみる。
  • 米ブルームバーグ通信は12日、関係者の話として米政府が内航船を自国の造船所で建造した船舶などに限定する商船法(ジョーンズ法)を一時的に撤回する方針を検討していると伝えた。用船料が低い外国船舶による米港湾間の運航を許すことでエネルギー価格の上昇を抑える狙いがある。