出光丸がホルムズ通過、イラン衝突後初 日本政府高官「通航料払わず」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28CLP0Y6A420C2000000/
【コメント】
- イラン問題発生後、日本船籍の船が初めてホルムズ海峡を脱出しました。
- 出光興産所有のスーパータンカーですが、これは過去のイランと日本の「日章丸事件」での良好な関係にあったとされています。
- 「日章丸事件」は1953年、出光興産が西側の反対を押し切り、秘密裏にイランの石油を輸入した出来事です。1951年にイラン政府が石油国有化を宣言し、これに反発した英国側が海軍力を動員して海上を封鎖する中、出光興産はタンカー「日章丸」を送り、英国の封鎖網を突破して石油を運搬することに成功しました。
- 「日章丸事件」は2014年、百田尚樹の小説『海賊とよばれた男』(講談社)として出版され、400万部を超えるベストセラーとなりました。海賊は「日章丸事件」を主導した出光興産創業者の出光佐三を指しています。
- 日本船舶が今後もホルムズ海峡を継続して通過できるかは不透明で、ペルシャ湾内に日本関係船舶42隻が留まっており、これらの船舶がホルムズ海峡を脱出できる見通しはたっていません。
- 原油価格は再び100ドルを超えていますが、トランプ大統領は徹底した「逆封鎖」を継続する構えのようですが、迷惑な話です。
- 日本も早急に石油関係製品の「徹底した節約」を実行する必要があると思います。
【記事概要】
- イラン軍事衝突以降、ペルシャ湾で約2カ月にわたって足止めされていた出光興産の大型タンカー「出光丸」が28日、ホルムズ海峡を通過してオマーン湾の公海へ出た。原油を満載しているとみられる。日本政府高官は「日本政府が交渉していた成果だ」と語った。
- 出光丸は米国とイスラエルによるイラン攻撃が始まる直前の2月下旬にペルシャ湾に入った後、足止めされていた。軍事衝突後、日本の元売り大手が所有する船舶がペルシャ湾から出たのは初めてとみられ、実に62日ぶりの「脱出」になる。
- 出光はタンカー輸送の状況について「安全上の観点から回答できない」とコメントしている。
- 船舶情報サイト「マリントラフィック」によると、出光丸は28日午前7時(世界標準時)ごろ、イランがオマーン湾への航路として指定するララク島の南側を通ってホルムズ海峡を通過した。
- 28日午後7時時点でオマーンの首都マスカットの北方の公海上をインド洋方向へ航行している。船舶自動識別装置(AIS)の情報によると、行き先は日本の名古屋港となっている。喫水は20メートルとなっており、約200万バレルの原油を満載しているとみられる。
- 日本政府高官は日本時間28日夜、「日本政府が交渉していた成果だ。通航料は払っていない」と明らかにした。
- イラン国営テレビも28日、出光丸がイラン当局との調整の上でホルムズ海峡を通過したと報じた。駐日イラン大使館は出光興産がイラン産石油を秘密裏に運んだ「日章丸事件」を引きながら「この遺産は今なお大きな意義を有している」とX(旧ツイッター)の公式アカウントで投稿した。
- 出光丸は2月上旬に日本を出た。2月25日にペルシャ湾に入った後、同28日にイラン攻撃が始まった。3月上旬にサウジアラビアのダンマンの沖合で原油を積み込んだとみられるが、その後イランがホルムズ海峡の事実上の封鎖に踏み切った。
- 同船は、イランのアラグチ外相がホルムズ海峡を開放すると表明した4月17日、いったんペルシャ湾の中央付近の海域まで移動した。だが、直後にイラン側が「再封鎖」を宣言したことで、再び停滞を余儀なくされていた。
- 欧州調査会社ケプラーのアナリスト、鳥潟ゆうい氏は「今回の(出光丸の)航行は現在の封鎖のもとで、日本の石油精製大手が完全所有する超大型原油タンカーが初めて同海峡を通過した点で意義深い。日本の船主はこれまで、地域の安全保障リスクに対して極めて慎重な姿勢をとってきた」と指摘した。
- 28日にはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)が所有する液化天然ガス(LNG)運搬船がインド洋を航行中であることも明らかになった。同船は3月下旬にはペルシャ湾にいた。行き先は中国とみられる。LNGを積載した船舶がホルムズ海峡を通過したのは初めてとみられる。
- ペルシャ湾には依然として多くの日本関係の船舶が取り残されているが、他の船も同様に出られるかは不透明だ。
- イランの革命防衛隊はホルムズ海峡の通航について、許可を得た船舶のみが指定の航路で通航できるなどとしている。また、イラン側は通航料の徴収を恒久的な制度として導入しようとしている。
- イラン国営テレビは28日、国防省高官の話として「戦争終結後、商船の円滑な航行を許可することが議題になる。ただし、イランの安全保障が脅かされないことが条件だ」と伝えた。
