国内景気、一転減速へ 4~6月「ゼロ成長」予測 イラン危機が影 原油高と供給制約響くhttps://www.nikkei.com/paper/article/?b=20260520&ng=DGKKZO96359160Z10C26A5EA2000

【コメント】

  • 昨日公表の日本の1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比年率2.1%増えました。自動車の輸出が回復し、個人消費や設備投資なども堅調だったことによります。
  • 一方で、イラン問題で4~6月期の成長率予測は低調です。「中東情勢の混迷が長期化した場合は景気後退のリスクが高まる」とみているアナリストは少なくありません。
  • 海外を見渡しても、米国、英国、ユーロ圏、中国いずれも今年度後半は景気低調予想が多い状況です。
  • リーマン危機やコロナ禍に迫る景気後退も懸念され、IMF(国際通貨基金)は「世界不況の間際」と警戒するレベルだと述べているようです。
  • 日本の家計は、このような情報を目にすると緊縮的に動く傾向にありますが、この行動がますます景気後退を招きます。
  • 今後は世界的に株価の調整があるかもしれませんが、狼狽売りだけは避けたいところです。(投資は自己責任で!)
【記事概要】

  • 長引くイラン危機が世界経済にブレーキをかけつつある。エネルギーの中東依存度が高い日本は4~6月期にほぼゼロ成長になると市場は予測する。米欧も原油高が影を落とし、減速は避けられないとの見方が多い。
  • 19日公表の日本の1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比年率2.1%増えた。自動車の輸出が回復し、個人消費や設備投資なども堅調だった。内閣府の推計によると、経済の地力を示す潜在成長率は0%台。その水準を大きく上回る伸びを記録した。2月末以降の米イランの衝突の影響は限定的だった。
  • 先行きは明るくない。ホルムズ海峡の封鎖は解消の見通しが立たず、高騰した原油価格は落ち着く気配がない。
  • 日本経済新聞は19日、民間エコノミスト10人に4~6月期の成長率予測を聞いた。回答を平均すると前期比年率0.3%と、ゼロ成長すれすれになる。
  • 26年度の成長率の予測平均は0.3%と、イラン危機前の2月半ば時点に比べ0.5ポイント下がった。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「中東情勢の混迷が長期化した場合は景気後退のリスクが高まる」とみる。
  • 原油高と供給制約が経済活動の重荷になる。プラスチックなどの原料として幅広い産業に欠かせないナフサ(粗製ガソリン)は多くの企業が調達難を訴える。4月の企業物価は前年同月比4.9%上がり、約3年ぶりの上昇率を記録した。
  • 第一ライフ資産運用経済研究所の新家義貴氏は「供給不安が長期化すれば在庫確保の動きが価格上昇を誘引し、消費者物価を押し上げるリスクにつながる」と懸念する。物価高はGDPの過半を占める個人消費の下押し圧力になる。
  • コロナ禍やウクライナ危機の後の高インフレを経ながら日本を上回る成長軌道を描いてきた米欧も足踏みする公算が大きい。
  • 1~3月期に2%成長だった米国。ベッセント財務長官は「4~6月期は前期より鈍化するだろう」との見方を示す。足元でレギュラーガソリン価格が1ガロン4.5ドルを超え、2月末より5割高い水準となっている。米ミシガン大学がまとめた5月の消費者態度指数は4月に続き1952年の統計開始以来の最低を更新した。
  • 英国は2.5%成長と堅調だった1~3月期から一転、4~6月期はゼロ成長との予測も出ている。バークレイズの調査によると、消費者の72%が中東情勢の緊迫が年末まで生活費に影響すると懸念し、62%はすでに支出を抑えていると答えた。
  • ユーロ圏の1~3月期の実質GDPは前期比0.1%増と小幅な伸びにとどまっていた。4~6月期は逆風が一段と強まる。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は4月の時点で「エネルギー高が長引くほど、広範なインフレと経済への影響がいちだんと強まる可能性が高い」と警戒感を示していた。
  • 経済規模で域内最大のドイツは政府が15日の月例報告で「最新の指標は4~6月期の大幅な減速を示唆している」と認めた。S&Pグローバルの総合購買担当者景気指数(PMI)は4月に48.4と、約1年ぶりに好不況の目安の50を下回った。
  • 中国は内需の不振が続き、原油の多くを輸入に頼り備蓄も少ない東南アジア各国はエネルギー危機に直面する。米イランの衝突は世界の供給網をかき乱しており、影響を免れる国・地域はほぼ見当たらない。
  • 国際通貨基金(IMF)は4月に公表したばかりの世界経済見通しの下方修正を早くも視野に入れる。
  • コザック報道官は5月14日の記者会見で「逆風シナリオに移行しつつある」との見解を示した。紛争の早期収束が前提のシナリオで3.1%だった26年の世界の成長率は2.5%に下がる。
  • 4月時点では原油高が27年も続くさらに深刻なシナリオも示していた。この場合、26年の成長率は2.0%まで落ち込むと予測する。
  • この水準を下回ったのは過去四半世紀でリーマン危機の09年、コロナ禍の20年のみ。IMFが「世界不況の間際」と警戒するレベルだ。