株高でもPERが下がるワケ 好業績が導く日本株最高値https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB22BLR0S6A520C2000000/

【コメント】

  • 先週金曜日に日経平均株価は過去最高値を更新しました。
  • 期待先行でバブル的に株価が上がっているとの懸念が脳裏をよぎりますが、どうもそうではないようです。
  • 株価はESP(一株あたり利益)とPER(一株あたり利益の何倍を見込むか)で構成されます。
  • 期待先行のPERが上昇する株高は危険な香りがしますが、現在の日経平均株価はEPSが着実に上昇していることからきているそうです。
  • 現在のPERは16.5倍で以前よりも低下傾向にあり、一方で5月中旬までの決算発表で企業は業績見通しが公表され、それによるEPSの上昇がしっかりしているといった状況です。
  • 日本企業は期初の業績見通しを手堅く公表する傾向があります。原油不足問題など懸念事項は様々ありますが、これらを包含し「達成可能」な見通しを公表していると思われます。
  • この見通しをもってしてもEPSが堅調であるということは、予想外の事象が起こらなければまだまだ日本株は上昇していくかもしれません。
  • 証券会社各社も、ここにきて2026年末の予想株価を切り上げています。皆さんはどう考えますか?(投資は自己責任で!)

【記事概要】

  • 日経平均株価が前週末22日に最高値を更新した。市場関係者からは週明け以降も一段高を試すとの声が多い。原動力は企業収益の拡大だ。日本株の上昇率を要因分解すると、投資家の先行き期待を映すPER(株価収益率)から利益に比重が移っている。
  • PERは株価が1株当たり利益(EPS)の何倍をつけているかを示す。投資家心理の強弱を反映する尺度で、市場環境に楽観が広がる株高局面ではPERの上昇が先行する。
  • QUICK・ファクトセットによると、東証株価指数(TOPIX)の12カ月先予想利益ベースのPERは22日時点で約16.5倍だった。TOPIXは2月下旬の最高値に迫るなか、PERは当時の17倍台前半から下がっている。もう一つの要素である利益が高まっているからだ。
  • TOPIXをEPSとPERの要素に分け、それぞれの2025年末比上昇率への寄与度を調べた。26年1〜2月の株高局面ではPER要因が大きくけん引した。米国とイスラエルによるイラン攻撃で株安が進んだ3月は一転してPER要因が縮み、収益環境の先行き不透明感から利益要因も足踏みしていた。
  • ただ4月下旬〜5月半ばの3月期企業の決算発表シーズンを経てアナリストの予想利益が再び切り上がり、株高のドライバーになっている。22日時点のTOPIXの25年末比上昇率14.2%のうち、EPSの寄与度は7.8ポイントでPERの6.4ポイントより大きい。
  • 日本経済新聞社の集計では、上場企業の27年3月期の純利益は前期比5%増え6年連続で最高益となる見通しだ。イラン情勢の混迷が長引いて原油相場が高止まりするなかでも、市場には企業業績が「意外に強い」と前向きな驚きが広がった。
  • 岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは「中東情勢を背景に例年以上に会社見通しが慎重になるとの警戒感があったが、実際の会社計画は堅調な内容だった」と評価する。同社が集計した26年度のTOPIX構成銘柄の純利益(市場予想ベース)は全体で13.6%増と2ケタの伸びを見込む。
  • 株高でもPERが下がった象徴例がキオクシアホールディングスだ。人工知能(AI)に欠かせないデータセンター向けの需要拡大でNAND型フラッシュメモリーの価格が高騰し、業績が急拡大している。株価は25年末比で5.5倍に急伸して時価総額が30兆円超に躍進したが、PERは逆に9.6倍から足元で7倍台半ばに低下した。
  • 業績拡大の期待がかかるのはAIや半導体関連だけではない。岡三証券によると26年度は鉄鋼や化学、電気機器などで2割の経常増益が見込まれている。金利上昇が収益に追い風となる銀行も2ケタ増益をうかがう。
  • 大和アセットマネジメントの建部和礼チーフ・ストラテジストは「企業はナフサなど中東以外からの資源の代替調達に動いており、価格転嫁をしながら利益確保ができる自信を深めている」とみる。
  • 日経平均は22日に6万3339円と約1週間ぶりに最高値をつけた。証券会社からは業績の堅調さを根拠に26年末の予想や目標値の上方修正が相次いでいる。JPモルガン証券は4月に7万円へ引き上げた。大和証券も5月に従来の6万3000円から6万7000円に見直し、野村証券は上振れシナリオとして7万0500円を掲げた。
  • もっともリスク要因は多い。米国とイランの間では恒久的な戦闘終結への協議は膠着したままだ。野村証券の北岡智哉チーフ・エクイティ・ストラテジストは「各社で中東情勢の前提の内容にばらつきがあり、全く織り込んでいない企業もある」として、利益見通しの下振れリスクは残ると指摘する。
  • 金利上昇も株価の重荷だ。金利負担が業績を圧迫することに加え、株式の相対的な投資妙味低下で投資家心理を冷やす。前週は物価上昇への警戒から国内外で金利上昇が広がり、世界的に利益確定売りが強まる場面もあった。企業業績の進捗とインフレの動向に目配りが必要になりそうだ。