株価指数、スペースX「優遇」 ナスダック100最短15日後に採用も S&Pは早期導入見送り 「オルカン」で間接保有もhttps://www.nikkei.com/paper/article/?b=20260611&ng=DGKKZO96828820Q6A610C2ENG000
【コメント】
- 12日にスペースXが新規株式公開します。市場はスペースX祭りとなっているようです。
- スペースXはIPOで750億ドル(約12兆円)を調達しますが、調達額で史上最大となるようです。
- 今後値上がりが見込めるようで、投資家はこぞって購入申し込みをしているようです。申込数は募集の数倍に跳ね上がっているとの報道もあります。
- 長期投資家は、主にオルカンやS&P500で積立を行っていると思いますが、オルカンは上場後10営業日に組み入れられる可能性がありますが、S&P500は12カ月後に「採用検討の対象」にするとの仕組みになっているようです。
- ナスダック100は今般制度変更を行い上場後15営業日に組み入れることができるようにしました。投資のプロが扱うラッセル米国株も制度変更で上場後たった5営業日に組み入れることができるようにしたそうです。
- 大型のAI関係のIPOは、スペースXに続いてアンソロピックとオープンAIが控えていることもあり、これらの銘柄を早めに株価指数に組み入れることが投資家から望まれているようです。
- 明日のスペースX上場を控え、ここ数日、世界的に株価は下落してきています。これは明日スペースXの株式を購入する現金を、既存株式を売却して作っているためと言われています。
- スペースX新規上場が期待通りにならないと、株価全体に少なからぬ影響があると思われます。(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 米スペースXは12日にも巨大な新規株式公開(IPO)に踏み切る。株式指数の算出会社には採用ルールを緩和する動きがみられ、米ナスダックは最短で15営業日目で主要指数に組み入れる。
- 指数に連動して運用する投資信託が人気のなか、スペースXの早期採用が広がれば、多くの個人投資家が同社株を間接保有することになりそうだ。
- スペースXはIPOで750億ドル(約12兆円)を調達する。2019年に上場したサウジアラビアの国有石油会社サウジアラムコを上回り、調達額で史上最大となる。大注目の企業を取り込もうと、指数算出会社の間で異例の「優遇」がみられた。
- 代表格がナスダック取引所を運営するナスダックだ。巨大IPO銘柄を上場後15営業日程度で、主要企業で構成する「ナスダック100」に組み入れる制度改正案を2月に示し、5月に施行した。
- スペースXは早期の指数組み入れを上場先選びの条件の一つとして重視していたとされ、ナスダックがライバルであるニューヨーク証券取引所との誘致競争を意識したとの見方がある。
- ナスダック100に連動する投信はハイテク株を好む個人に人気だ。ニッセイアセットマネジメントで連動投信を運用する高田光大リード・ポートフォリオ・マネジャーは「スペースXの早期組み入れも想定して指数連動のための運用戦略を立てている」と話す。
- 機関投資家向けに強い米国株指数を持つFTSEラッセルも5月下旬、大型IPOを対象に上場5営業日での指数組み入れを可能にする制度変更に踏み切った。
- 新NISA(少額投資非課税制度)で大人気の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(オルカン)。低い運用手数料で世界中の株式に分散投資できる点が特徴で、25年末時点の保有者数は主要ネット証券5社の延べ人数で500万人超に上る。この参照株価指数にもスペースXが採用される可能性がある。
- オルカンが連動を目指すのが、米MSCIが算出するオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI、配当込み・円換算ベース)だ。MSCIは大型IPO銘柄について、一定の基準を満たせば四半期ごとの定期見直しを待たずに指数に組み入れる「ファストトラック」と呼ぶ早期採用ルールを持つ。上場後に判定し、採用が決まれば10営業日目の終値時点で有効となる。
- オルカンを手掛ける三菱UFJアセットマネジメントは、ACWIの「組入銘柄が変更されれば、原則として当ファンドの組入国・地域、組入銘柄も変更」するとウェブサイト上で説明している。
- 採用が決まった後、焦点となるのが指数内での位置づけだ。全体に占めるスペースXの構成比率が焦点となる。
- 上場時の時価総額は1.8兆ドル弱となる見込みだが、マスク氏の影響力を維持する狙いもあり、上場で売り出すのは一部の株式に限られる。上場時に市場で自由に売買できる株式は全体の7%程度と異例の少なさになる。一般的な指数採用銘柄では8割を超えることが通常だ。
- そのため指数組み入れの比率も当初は低く抑えられそうだ。ナスダック100では最低10%の浮動株(実際に売買が可能な株式)要件も撤廃した一方、低浮動株銘柄については浮動株時価総額の3倍までで組み入れ比率を計算するルールを導入。米投資情報誌バロンズは当初の組み入れ比率が0.6~0.7%程度になるとの分析を紹介した。
- それでもスペースX株には巨額のパッシブ資金(指数連動で運用される資金)が流入しそうだ。ヘッジファンド向け情報サービスの英イントロピックは、上場後15営業日でパッシブ投資家の保有が浮動株の3割に達すると試算する。
- オルカンと並ぶ人気の米国株投信が参照する「S&P500種株価指数」では、大型IPO銘柄を6カ月で早期採用するルールの導入を見送った。現行通り12カ月の期間をへてから指数採用の検討対象となる。
- 指数を算出するS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは市場参加者から寄せられた意見も踏まえて、「時価総額の大きさだけを理由に例外を認めるべきではないと判断した」と説明した。
- 今後はアンソロピックとオープンAIも空前の規模でのIPOを控えている。両社とも時価総額が1兆ドル規模との見方があり、指数採用を巡る判断や入れ替え売買が市場全体を揺らす可能性がある。その行方は日本の多くの個人にとっても無関係ではない。
