ウォーシュFRBが金利据え置き 利上げ予想に転換、議長は予測示さずhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12CEU0S6A610C2000000/

【コメント】

  • 新FRB議長にケビン・ウォーシュ(Kevin Warsh)氏が就任していますが、その最初の政策決定会議が数時間前に終わりました。
  • ウォーシュ氏は56歳で、前任のパウエル氏の73歳から一気に若返りました。若いころからFRBの理事を務めるなど、金融のエキスパートです。
  • 今回の政策決定会合での利上げ決定はありませんでしたが、議論の焦点は利上げだったようです。前回のFRBの議論では利下げ検討でしたので、180度の転換です。
  • 会議後の記者会見を受け、金利選好のリスクオフで米国株式市場は下落、日米金利差がひらく(米国金利が更に高まる)思惑でドル円は160円台後半と円安に振れています。
  • トランプ大統領は、株高を選好しているので前任のパウエル氏に相当な利下げのプレッシャーをかけていました。今も中間選挙を睨み、利下げを望んでいると思われます。
  • ウォーシュ氏は、エスティ・ローダー創業家一族と結婚しており、共和党支持者との繋がりも深い人物です。トランプ大統領はエスティ・ローダー創業家から多額の政治献金を受けていることもあるためか、ウォーシュ氏には「思う通りにやれ」と言ったとか、、、。
  • 米国のインフレ予測が4%近くになっていることから、FRBは今年中に実際の利上げに踏み込むと見られ、円安傾向が強まる可能性がありますが、、、日本政府は再度為替介入するのでしょうか?(投資は自己責任で!)

【記事概要】

  • 米連邦準備理事会(FRB)は17日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。参加者の政策金利の見通し(中央値)は前回3月の「年内は利下げ1回」から「利上げ1回」に転換した。5月に就任したウォーシュ議長が初めて取り仕切った。
  • 政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利は3.5〜3.75%で、4会合連続で据え置いた。2025年6月以来1年ぶりに全員一致で政策を決めた。
  • 声明文から今後の金融政策運営の方向性に関する文言を削った。パウエル前議長が仕切った4月末の会合時に公表した声明文と比べて分量はおよそ半分になった。ウォーシュ氏はFOMC後の記者会見で「(政策の先行きを示唆する)フォワードガイダンスは現在の政策局面に適していないという点で一致した」と明かした。
  • 前回会合までは、市場が「次の政策変更は利下げの可能性が高い」と解釈してきた表現を掲載していた。文言の大枠は4年半ぶりに利下げした24年9月から採用していた。
  • ウォーシュ氏はこれまでもフォワードガイダンスに否定的な見解を示してきた。FOMC参加者が自らの予測に固執して経済情勢の変化への対応が遅れかねないと懸念しているためだ。金利水準を決めるFOMCで予断を持たずに柔軟に議論すべきだとの考えが根底にある。
  • ただ、対外的な情報発信の機会が減れば、金融市場がFOMCの政策変更の見通しをうまく織り込めなくなる恐れもある。FRBの政策決定の透明性が下がり、市場の混乱につながる可能性も否定できない。
  • 17日はFOMC参加者による経済見通しも公表したが、ウォーシュ氏は自らの予測を提示しなかった。ウォーシュ氏を除く18人による26年中の金融政策の見通しは金融引き締めに前向きなタカ派的な主張が増えた。
  • 前回はいなかった「年内利上げ」の予想は9人いた。年末まで金利を据え置くと回答した人は8人で、前回の7人から増えた。利下げを主張した人は12人から1人に減った。中央値でみると「年内は利上げ1回」という予想で、前回の「利下げ1回」から転換した。
  • 中東情勢の混迷が長引き物価高への懸念を強めた。5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が3年ぶりに4%台に乗り、企業間で取引するモノの価格は前月比で最大の伸びとなった。
  • 米イランは戦闘終結への覚書締結で合意した。原油価格も下落しつつあるが、企業がこれまでのコスト上昇分を販売価格に上乗せしてCPI上昇率を高止まりさせる可能性が残る。
  • FOMC参加者による米個人消費支出(PCE)物価指数の予想を中央値でみると、26年10〜12月期の前年同期比上昇率は3.6%となった。3月に出した前回予想の2.7%から上方修正となった。
  • FRBが物価とともに動向を注視する雇用は底堅く推移するとみる。10〜12月期の失業率は中央値で4.3%となった。前回の4.4%から下がった。前年同期と比べた実質GDP(国内総生産)の増加率は2.2%で、前回は2.4%だった。
  • ウォーシュ氏は17日の記者会見で自身が意欲を示すFRB改革についてタスクフォース(作業部会)を立ち上げると発表した。FRBのバランスシートや市場などとのコミュニケーション、インフレの枠組みといった5つのテーマごとに設ける。
  • ウォーシュ氏に議長職を引き継いだパウエル氏は理事として今回のFOMCに参加した。ウォーシュ氏の就任に伴って積極的な利下げを主張してきたミラン理事は退任した。