ライドシェア解禁先送り 規制改革会議が答申、自民動き鈍く 業界優先、技術革新の壁にhttps://www.nikkei.com/paper/article/?b=20260630&ng=DGKKZO97239840Q6A630C2EA2000
【コメント】
- 今朝、FIFAの日本対ブラジルの試合がありましたが、1−2で惜敗しました。ブラジルは世界ランキング6位であり、1−2は日本の善戦を讃えたいと思います。
- 今朝の朝刊で規制改革の遅れを報じています。
- 世界的に普及しているライドシェアですが、日本での全面解禁は今年も実現しないようです。理由は「リスクがあり慎重に」ということですが、結局は自民党の自民党タクシー・ハイヤー議員連盟の反対です。この問題は政治と行政が関連業界と結びつく「政官業のなれ合い」の典型のようです。
- 規制緩和が進まない分野は色々あります。
- まず「医療・医薬品分野」ですが、地方の医療資源の薄さを補う遠隔医療の適用拡大の規制にはまだハードルがあります。これも日本医師会と自民党の関係が影響しているようです。
- また「農業分野(企業の農地取得の完全自由化)」では、後継者不足や耕作放棄地の増加に対抗するため、一般企業(株式会社)が農地を直接「所有」できるようにする規制改革が長年議論されていますが、農業協同組合(JA)と自民党の関係がネックになっているようです。
- いずれの事案もリスクはあり、それをミニマイズすることは必須ですが、それ以上に既得権益と選挙での票が絡んでいるように思われます。
- 利便性や大規模化による経済合理性、技術革新がますます世界レベルからおいていかれる気がしますが、、、。
【記事概要】
- ライドシェアの全面解禁の議論が進まない。政府の規制改革推進会議が29日にまとめた答申は「諸外国の事例や各地域のニーズを踏まえて必要な取り組みを進める」と記すにとどまった。規制改革の停滞は経済成長を促す企業のイノベーションを阻む。
- ライドシェアを巡る答申の書きぶりの調整では水面下の駆け引きがあった。
- 国土交通省や自民党タクシー・ハイヤー議員連盟などはかねてライドシェアの全面解禁に反対する。安全の確保や事故が起きたときの責任の所在が明確になっていないとの主張だ。今回の答申でライドシェア自体の記載を削除しようと動いた。
- 運転手の収入の減少や雇用環境の悪化などに懸念を示す。移動の足の不足に悩む利用者の視点は欠け、自民党が固定票として期待する業界団体への配慮が透ける。高市早苗首相や城内実規制改革相は長年議連の中核メンバーを担ってきた。
- ライドシェアの記載の削除に待ったをかけたのが既得権益の打破を訴える日本維新の会だ。今回は維新が政権に加わってから初めての答申だった。
- 中司宏幹事長らは16日、城内氏にライドシェアの本格導入を含む改革の提言を渡した。「先送りは地域社会の維持と国民生活の向上を一層困難にする」と指摘した。
- 維新の主張もあり、答申にライドシェアの文言自体は残った。規制改革の書きぶりを巡って駆け引きを続ける日本をよそに、世界の「移動の最先端」は進化し続ける。
- 英国では5月、政府による自動運転タクシー(ロボタクシー)の運行事業者の応募受け付けが始まった。主導するのは米国と中国の新興企業だ。
- 米アルファベット傘下のウェイモや、米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズと組む英新興、中国の百度(バイドゥ)などが競争に名乗り出ている。
- 日本でタクシー会社以外の事業者が担う「国際標準」のライドシェア導入の起点は岸田文雄政権時代の2023年だ。移動の足の不足をどう補うかが課題になっていた。
- 政府は運行の管理主体をタクシー会社に限定する「日本版ライドシェア」を24年4月に始めた。同年の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)では、国際標準のライドシェアの導入に向けて「新法の制定も含めた検討」を初めて盛り込んだ。
- それから2年、全面解禁を巡る議論は遅々として進まない。企業の新陳代謝を促して国にイノベーションをもたらす視点の欠如は「失われた30年」と呼ばれる低成長に陥った日本の姿に重なる。
- ライドシェアは先進国にとどまらず新興・途上国でも広く普及し、スタートアップが運営する例が多い。規制さえ緩和すれば、日本の企業が事業を始めるうえで資金・技術的な課題はほとんどない。
- 「責任ある積極財政」を掲げる高市政権は2040年度までに人工知能(AI)や半導体など戦略17分野に官民で370兆円を投じる計画を打ち出した。
- 規制改革は大規模な財政支出を伴わなくても成長を促せる施策だ。しかし、首相の施政方針演説では「財政」の文言に触れたのは11回、「規制改革」は3回だった。財政出動に軸足を置き、規制改革への熱量は乏しい。
- ライドシェアの問題は政治と行政が関連業界と結びつく「政官業のなれ合い」の典型だ。政治が業界票を意識しやすいのは一般利用者の関心が薄いのも絡む。日本にはライドシェアのサービスを経験したことがない層が一定数いるとみられる。
- 民間調査会社のMM総研が23年10月に発表したアンケートによると、日本での導入に「反対」「どちらかといえば反対」と答えた人は6割を超えた。海外での利用経験者に限ると「賛成」「どちらかといえば賛成」は8割超と賛否が逆転した。
- 規制改革に詳しい昭和女子大学の八代尚宏総長顧問は「財政だけでなく民間企業が投資しやすい環境をつくるのが規制改革の重要な役割だ」と話す。
