地価高騰が相続の壁に 路線価5年連続上昇、東京は9.4%  税重く「実家売却」https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20260702&ng=DGKKZO97294900R00C26A7EA1000

【コメント】

  • ドル円レートが162円台に留まっています。政府の為替介入が警戒されていますが、効果が薄いとのコメントがもっぱらで、このまま放置すると165円もありうるとの予想もあります。
  • 高市政権の「財政拡張」「利上げに否定的」の姿勢が円安を招いていると言われています。このままでは、数年後には200円もありうるとのコメントがあります。
  • 一説にこれは公にしてない政府の政策ではないかとの声もあります。つまり、急激な円安は介入で微修正しますが、長期的にはさらなる円安を容認し日本の輸出競争力を高め、日本経済を復活させるというストーリーです。海外に逃避していった日本企業の製造拠点を日本に呼び戻し経済を活性化するというものです。あり得るかもしれませんね。
  • 取り上げた記事は、路線価です。
  • 全国約31万地点の標準宅地の平均が前年比2.9%プラスだった。上昇は5年連続。現在の算出方法となった10年以降で最大の伸び率で、3年連続で過去最大を更新したとのことです。
  • 依然として円安で海外投資家の購入が引き金になっていることもあります。海外投資家による投資が過去最高の2兆1440億円と前年の2.3倍で、全体の投資額の34%を占めています。都心部の地価は、円安進行などにより世界の主要都市と比べると依然として割安とみているようです。
  • これにより、相続税負担に耐えきれない相続人が出てきており、思い出深い実家を売却しなければならない事例も多いようです。

【記事概要】

  • 国税庁が1日発表した2026年の路線価(1月1日時点)は、全国約31万地点の標準宅地の平均が前年比2.9%プラスだった。上昇は5年連続。現在の算出方法となった10年以降で最大の伸び率で、3年連続で過去最大を更新した。
都心、オフィス需要拡大
  • 東京都の標準宅地の平均上昇率は前年比9.4%だった。全国平均の3倍超となり、全国最高となった。都心のオフィスビルは空室率が1%を切り、価格高騰が続く。
  • 路線価は主要道路に面した土地1平方メートルあたりの標準価格で、相続税や贈与税の算定基準となる。東京の上昇率は前年と比べて1.3ポイント拡大した。
  • 最大の要因が都心のオフィスビルへの需要拡大だ。米不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)によると、日本の不動産への25年の投資額は前年比13%増の6兆2180億円だった。07年の調査開始以来、最高額を更新した。
  • 26年3月末時点で東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の大規模オフィスビルの空室率平均は0.7%だった。平均賃料は1坪(約3.3平方メートル)あたり4万247円と、前年同月比13.2%上昇した。各年末との比較では08年のリーマン・ショック前のピークだった07年(5万1995円)の8割程度まで回復した。
  • 新型コロナウイルス禍からの回復で、在宅から職場勤務に戻る企業が増えている。人手不足のなか、優秀な人材を獲得するために好立地できれいなオフィスに移転するケースもある。
  • 海外マネーも流入している。JLLの調査では25年の日本の不動産投資額のうち海外投資家による投資が過去最高の2兆1440億円と前年の2.3倍だった。全体の投資額の34%を占めた。
  • 都心部の地価は上昇が続くが、海外投資家は円安進行などにより世界の主要都市と比べると依然として割安とみている。
下町エリアに伸び波及
  • 邸宅が立ち並ぶ東京都世田谷区の成城地区。大正期に開発が始まった高級住宅街の人気は根強いが、地域を歩くと分譲宅地を売り出す看板や空き地も目につく。
  • 40年近く暮らす70代の男性は「戸建てや分譲マンションが増えてきた。成城が持つ豊かな緑との協調が欠かせない」と危機感をのぞかせる。
  • 管轄する世田谷税務署の最高路線価は前年比で12%アップとなった。不動産相続を手がけるマルイシ税理士法人(東京・新宿)には路線価が上昇基調となった22年ごろから「成城の実家を売却したい」などの相談が寄せられるようになった。
  • 同法人の藤井幹久税理士は「路線価の上昇で相続税の負担が高まるなか、不動産の売却で納税資金を工面するケースが増えている」と話す。
  • 都内の住宅地では多額の相続税を負担できず売りに出された土地を分筆し、価格帯を下げて売り出す住宅も少なくない。
  • 住宅情報サービスのLIFULL(ライフル)が運営するサイトに掲載された首都圏の新築分譲戸建てのうち、専有敷地面積が60平方メートル未満の物件は25年に2815戸。21年の1541戸から8割増えた。
  • 若者やファミリー層の足が向くのが、賃料や価格が比較的手ごろな下町エリアだ。都心部の上昇が波及している。
  • 東京都北区の赤羽駅東口広場通りは前年から21.6%伸びた。同区はリクルートが2月に発表した「SUUMO住みたい街ランキング」で前年から11位上昇し34位。算定基礎となる得点の上昇幅は首都圏1都4県でトップと躍進した。
  • 複数路線が乗り入れる赤羽駅周辺は大衆居酒屋がひしめき学生や社会人でにぎわう。赤羽一番街商店街振興組合の鈴木美昭理事長は「居酒屋の『せんべろ』が若者の間で定着し、都心より割安だとして赤羽を訪れている」と話す。
  • 17年には東洋大学の新キャンパスが開設され、一人暮らしの学生が増えた。地元物件を取り扱う相栄商事(東京・北)によると、管理する単身者向けマンションは軒並み満室近い。主要ターミナル駅にアクセスしやすく家賃相場も比較的割安なことから子育て世代も幅広く呼び込んでいる。
  • 一方で、大都市圏でも少子高齢化を背景に上昇の停滞が見られる。
  • 神戸市や姫路市などを抱える兵庫県は上昇率が2.4%と全国平均を下回った。神戸市は23年から推計人口が150万人を割り込む。特に郊外のニュータウンで人口減少が著しい。
  • 路線価の上昇率は神戸市の三宮センター街が9.6%だったのに対し、同市の西にある明石市は1.8%。北の西脇市などでは上昇率が0%の地点もあった。
  • 県不動産鑑定士協会の梶川智保副会長は「大阪に近い阪神間は地価が上昇傾向にある一方、アクセス面で不利な地域は宅地需要が減少傾向で、近年は二極化が顕著になっている」と話す。