リニア開業へ沿線開発加速 始発の品川大改造、京王は橋本駅移設検討
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC074SC0X00C26A7000000/
【コメント】
今朝はリニア新幹線の記事が多数です。
リニア新幹線の工事は、静岡県の川勝平太知事(当時)が2017年に大井川の水資源への影響を理由に反対を表明して事業がストップしていましたが、知事が代わったことにより工事が再開となりました。9年間工事がストップしたことにより、開業も当初予定の2027年から2036年に遅延、建設費も昨今の物価上昇により2倍に膨らむ見込みだそうです。
今後、品川駅や橋本駅、山梨県駅の建設が加速するとのことです。各駅は周辺の開発の中心となるため大きな期待があります。
気になる運賃ですが、今後検討が重ねられるとは思いますが、「のぞみ+700円」との報道がありましたが、東京都名古屋間が40分ということからすると意外と安いと感じますが、いかがでしょうか?
【記事概要】
リニア中央新幹線は静岡県の鈴木康友知事が静岡工区の着工容認を7日表明し、最短で2036年にも品川―名古屋間が開業する。始発駅の品川では東京メトロの新駅建設や羽田空港と結ぶ京浜急行電鉄の線路移設など大改造が今後進む。神奈川県駅(仮称)を設置する橋本駅では京王電鉄が駅の移設を検討する。
品川―神奈川県駅を結ぶ「第1首都圏トンネル」(約37キロメートル)。JR東海は現在、立坑(たてこう)からシールドで地下を掘り進めている。6月には全線で初めて立坑の間(約4.9キロ)がつながった。同トンネルの約2割で工事が進んでいる。
建設中の神奈川県駅(仮称)につながるトンネル(2024年)
大深度地下を走るリニアは駅のホームも地下深くなる。始発駅となる品川駅では港南口にある東海道新幹線のホームの下の地下5階にリニアのホームを設ける。地表からの深さは約40メートル。エスカレーターやエレベーターを多く設置し、東海道新幹線への乗り換え時間は3〜9分、JR在来線への乗り換えは5〜7分に抑える計画だ。
品川駅ではリニア開業にあわせて駅の大改造が進んでいる。白金高輪から品川まで延伸する東京メトロ南北線の新駅は高輪口の地下に建設する。羽田と結ぶ京急の線路は2階レベルから1階に移す。
現在の品川駅は京急線が2階、JRの在来線が1階にある。高架の京急線が1階に移れば、品川駅の東西を2階部分で結ぶ自由通路を西の高輪口まで延ばせる。駅の改造でリニアや東海道新幹線、JR在来線や京急、メトロなどの乗り換えがスムーズになる。
トンネル掘削工事に使用するシールドマシン(2025年、神奈川県相模原市)
神奈川県駅はJRの横浜線と相模線、京王相模原線の3線が通る橋本駅(相模原市)に設置する。19年に工事を開始し、品川ー名古屋の4つの中間駅で最初の着工となった。現在は地下30メートルのリニアが走る「軌道階」ができ、名古屋方面に向けてシールドの掘削工事の準備を進めている。
京王電鉄は京王の橋本駅の移設を検討する。JR横浜線や相模線の改札とつながる動線を設計する計画だ。神奈川県駅は東京・多摩地域の京王沿線からの利用者も多く見込まれる。京王電鉄は「橋本駅は京王沿線の『西の拠点』と位置づけている。駅を核としたまちづくりや沿線の魅力向上を通じ、新たな人流を創出する」と意気込む。
神奈川県駅のリニアが走る「軌道階」工事の様子(2025年、神奈川県相模原市)
相模原市はリニア開業を見据え、ロボット・航空宇宙産業や人が集まるまちづくりを進める。駅周辺を通る幹線道路とのアクセス向上へ延長約920メートル・幅22メートルの都市計画道路を新設する。市の担当者は「3路線が通る交通結節点で高いポテンシャルがある。投資判断にも影響があり、道路などのインフラ整備は重要だ」と話す。
リニア山梨県駅(仮称)の南側のイメージ=JR東海提供
山梨県では3月に山梨県駅(仮称、甲府市)の工事が始まった。品川―名古屋間で唯一の未着工駅だったが、JR東海は31年9月末までに4階建ての駅舎を完成させる予定だ。26年5月には南アルプストンネルの山梨工区の掘削工事で、車両が走行する本坑の山梨側のトンネル口が開き、貫通した。
駅周辺の開発も今後本格化する。北側では中央自動車道や幹線道路と接続する広域交通の基盤整備が進む見通し。県は富士山の麓と5合目を結ぶ新交通システム「富士トラム」の導入構想を掲げ、将来はリニア駅まで結ぶことも視野に入れる。
沿線開発は各地で進むが、当初27年とされた品川ー名古屋間の開業が遅れた影響は小さくない。東京都心では八重洲や日本橋といった東京駅周辺などで再開発が進んだ。明治大学の市川宏雄名誉教授(都市計画)は「東京の重心は南に移るとみていたが、リニアが遅れている間に他の再開発が進んだ。リニアの開業効果は当初より薄まった」とみる。
三大都市圏や主要な国際空港を結ぶリニアは「スーパー・メガリージョン」(巨大都市圏)の形成を掲げる。市川氏は「製造業が強い名古屋は東京と補完関係にあり、交通アクセスの改善が人口流出を招く『ストロー効果』は起きない。計画の遅れは大きなマイナスだが、時間がかかっても当初のシナリオが進むのを期待したい」と語る。
