消費税減税の強行は将来に禍根を残すhttps://www.nikkei.com/paper/article/?b=20260806&ng=DGKKZO98000350V00C26A8EA1000
【コメント】
- 昨日、高市政権が食品の消費税減税を閣議決定しました。
- 自民党内にも異論がありましたが、高市首相は「選挙での公約」といったことを強調し、ものが言えない雰囲気で自民党の了承をとったようです。8月下旬から9月にかけて閣僚や自民党の人事異動を行うことをチラつかせ、反対意見を封じ込めた感があります。
- この記事にあるように、今回の減税には批判が多いです。消費税は年金、医療など社会保障給付を支える貴重な財源で、食品の部分だけ期間限定ですが、廃止することは今後の日本に不安を残すという論調です。
- 首相は「2年後には私が責任を持って確実に税率を元に戻す」と言っていますが、はたして2年後に高市氏が首相を続けているかは保証の限りではありません。予想されることとはいえ、2年後の増税に見える食品消費税を戻すことは、その時に政権に打撃を与えることになる可能性があり、戻すことを逡巡するかもしれません。
- 減税は嬉しいですが、将来大丈夫なのでしょうかねえ、、、。
【記事概要】
- 高市早苗政権が5日、食料品の消費税率を2027年4月から2年間に限って1%に引き下げる基本方針を閣議決定した。衆院選公約に拘泥して副作用やリスクが大きい減税を強行するのは、将来に禍根を残す愚策でしかない。
- 消費税は年金、医療など社会保障給付を支える貴重な財源だ。年5兆円に上る代替財源の確保を年末に先送りし、先に減税方針を決定するのはあまりに無責任だ。
- 政権は9月に税制改正大綱をまとめ、秋の臨時国会に必要な法案を提出する構えだが、その審議でも財源を提示せず、数の力で突き進むつもりなのか。
- 首相は「2年後には私が責任を持って確実に税率を元に戻す」と説明したが、減税が2年間で終わる保証はない。ずるずると続けば社会保障の財源確保は自転車操業になる。国債に頼らざるを得なくなり、医療などの負担を次世代に回す構図が強まりかねない。
- 肝心の物価高対策の効果も限定的だ。小売店などは円安や中東情勢を背景とするコスト上昇に直面しており、バラマキ型の減税は本体価格の引き上げを誘いやすい。中低所得者に限定した給付金のほうが明らかに優れている。
- 綱渡りの財政運営が一段の円安や金利上昇を招き、国民生活をかえって脅かす可能性もある。日米両政府による為替の協調介入は、こうした危機が目前に迫ってきたことの証左だろう。
- これほど多くの課題を突きつけられても、高市政権は「公約」を盾に突き進み、与党の自民党や日本維新の会も止めようとしない。
- 政治家の公約が重いことは確かだ。だが検討の過程で課題が明らかになれば、国民に説明したうえで、修正や撤回に踏み切ることが国会議員の責務だろう。
- 今年2月の衆院選公約で首相が食料品の消費税減税について「検討を加速」との表現にとどめたのも、多角的な論点がある政策だと理解していたからではないか。
- 衆院選で圧倒的な支持を得たとはいえ、国民はすべてを白紙委任したわけではない。日本経済新聞社が7月下旬に実施した世論調査では消費税減税への賛成は48%、反対は44%とほぼ拮抗している。
- 賛否が割れているのに「公約だから」の一点張りで弊害の多い政策を強行するのは問題だ。今からでも遅くはない。政権はここで立ち止まり、何が国民生活を守る施策なのか熟考してほしい。
