日本株、抜け出せるか「魔の10月」 なお残る米コアウィーブショックhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB166040W6A011C2000000/

【コメント】

  • 先週の世界的な株価軟調は、今週も継続しそうです。主要テーマは同じで新興AI企業の財務問題です。
  • 日経平均株価は、今年6月22日に72,831円の最高値をつけました。今日は引き続き下げ、63,000円台になると思われます。高値からの下げ幅は約10,000円、▲10%以上になります。
  • 10月の株価は世界的に弱いというアノマリー(相場の癖・経験則)があります。過去の暴落も10月に多く発生しています。
  • 2008年に起きたリーマンショックでは約▲24%の下げでしたが、他は概ね▲10%の下げになっていました。
  • アノマリーで言うと、11-12月の株価は概ね上昇傾向にあります。
  • 現在の日本の株式市場では、弱気を助長する信用売りが増加しています。恐怖指数も上昇傾向です。信用売りは先々必ず買い戻しが必須です。
  • 一部の新興AI企業で財務問題があることは事実ですが、AIを推進するアメリカの巨大IT企業の投資余力に問題はありません。
  • また日米ともに企業業績は堅調と予想されています。
  • 10月末から11月上旬にかけての数週間は不安ですが、一方で絶好の投資局面かもしれません。(投資は自己責任で!!)

【記事概要】

  • 日経平均株価の動きが不安定になっている。海外市場では米コアウィーブの社債価格急落の影響が尾を引き、週明け19日の東京市場でも日経平均株価が大幅安で取引を始める可能性がある。最大の懸念である人工知能(AI)の収益性の不透明感を払拭できるかが当面の焦点だ。
  • 前週の日経平均株価は3706円(5.4%)安の6万5324円で終えた。週間の下落は5週ぶりだ。15日には前日比3000円超下げ、1日の下げ幅として歴代3位となった。6日に7万円台を回復したものの、買いの勢いは続かなかった。
  • 16日の海外市場でも株売りの動きは止まらず、ハイテク株の多いナスダック総合株価指数は2.1%安となった。大阪取引所の日経平均先物12月物は日本時間17日早朝の夜間取引終了時点で前日の清算値と比べ1890円安い6万3630円まで下げた。
  • 10月は伝統的に市場心理が悪化しやすい「魔の月」とされる。1987年10月にはダウ工業株30種平均が1日で23%下落する「ブラックマンデー」が生じた。2008年10月は米リーマン・ショックの影響で日経平均が24%安となり、1980年以降で最も大きな月間下落率を記録した。
  • 80年以降の日経平均株価を見ると、10月の平均騰落率は0.4%の上昇だ。7〜9月の下落からは持ち直しやすい一方で、上昇している月の中では上昇率は最も小さい。
  • 前週の株式市場を最も揺さぶったのは、業界全体で大規模な設備投資が続くAI関連の資金繰りに対する不安だ。データセンターをAI関連企業に貸し出す「ネオクラウド」事業を手掛ける米コアウィーブの社債価格が急落した。株式市場にも懸念が波及し、15日の日経平均急落につながった。
  • フィデリティ投信の重見吉徳マクロストラテジストは「投資家がAI企業の資本制約や、資金調達に伴う債券市場のストレスなどを現実的な懸念として認識しはじめた」と指摘する。収益力が大きいハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)は問題なくても、相対的に規模が小さい企業では資金繰りに行き詰まる可能性もある――。そんな不安を市場参加者に感じさせた。
  • 財政懸念に伴うフランス国債の利回り上昇(債券価格の下落)も市場の懸念材料となっている。10年債利回りは3月の3.2%台から4.9%台まで切り上がった。仏国債売りは「肥大化したフランス政府と社会保障」の英語の頭文字から「FROGS」トレードと呼ばれる。債券安が続けば相対的な株式の割高感が強まり、株式市場にも重荷になりかねない。
  • 第3の不安は11月3日に実施される米中間選挙の動向だ。共和党の苦戦が予想され、トランプ大統領の政策にも影響を及ぼす可能性がある。
  • 今後の焦点はこうした不安材料が払拭されて株式市場に再びマネーが戻るかだ。ピクテ・ジャパンの糸島孝俊シニア・フェローは前週の動きについて「市場から資金が逃避したというより、株式より相対的にリスクが低い債券に資金ローテーションが起きている」とみる。
  • 半導体関連株の急落を受けて相対的に安全資産とされる債券に買いが入り、米長期金利は14日の5.3%台から16日に5.0%台まで低下した。AI懸念で株式が売られた分のマネーはまだ市場内にとどまる。いったん債券に退避した投資マネーが再び株式に流れ込むには、今週本格化する7〜9月期の日米企業の決算発表が重要になる。
  • 国内では22日に半導体の切削・研磨装置大手のディスコが、米国では21日にハイパースケーラーの一社であるメタがそれぞれ決算を発表する。翌週以降もAI・半導体関連の決算が相次ぐため、決算の内容で収益性を見極めたいという声は多い。
  • 日本株買いのシナリオは崩れていない。野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは「日本株はAIだけでない強みがある。インフレ経済、企業改革、自己資本利益率(ROE)の改善など様々な買い材料がある」と指摘する。
  • ただ27年度予算の審議が続くフランス、11月の中間選挙に向けて緊張感が高まる米国の不透明感は早期には解消されにくい。決算でAI懸念が後退しても、株価が6月までの上昇基調に復するには時間がかかる可能性もある。