貿易赤字4〜9月2.8兆円 代替調達で原油高続く、「当面は収支悪化」https://www.nikkei.com/paper/20261022M101/EP00000/article/DGXZQOUA165A30W6A011C2000000

【コメント】

  • 昨日財務省が4〜9月の貿易統計速報を公表しました。
  • 貿易収支は約3兆円の赤字で、昨日の記事にもあった原油などのエネルギー価格の高騰が赤字の一つの原因になっています。
  • 為替動向に詳しいアナリストは、「26年は石油備蓄の放出で原油輸入を抑えたが、27年は放出がなければ年10兆円以上の貿易赤字となる可能性もある」とコメントしています。
  • こうなると、円売り・ドル買いの需要が高まり円安の進行にもつながりかねない状況です。(投資は自己責任で!)

【記事概要】

  • 原油高が貿易赤字を拡大させている。財務省が21日発表した貿易統計速報によると、4〜9月の貿易収支は2兆8184億円の赤字だった。米国などからの代替調達が進展する一方、輸送距離が伸びることで輸入価格は下がりにくくなっている。
  • 輸入額は前年同期比20%増の66兆2753億円、輸出額は18%増の63兆4569億円だった。輸入額、輸出額ともに比較可能な1979年以降で過去最高となった。原油をはじめとするエネルギー価格の高騰が、電子部品や自動車の輸出増を打ち消した。
  • 4〜9月の原油1キロリットルあたりの輸入単価は、通関での円建てで10万8605円と6割上昇した。輸入量は前年から5288万キロリットルで21%減った一方、輸入額は26%増の5兆7439億円と膨らんだ。
  • 中東からの原油の供給が滞って以降、主要な代替調達先となっているのは米国だ。9月の米国からの輸入量は、前年同月比約6倍の372万キロリットルだった。25年に全体の9割超を占めた中東からの輸入割合は62%にとどまる。
  • 供給確保が進む半面、輸送距離は伸びてコストがかさむ。みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは「米国産原油の輸入増加に伴い、原油価格の高騰が長引きそうだ。当面、貿易収支は悪化するのではないか」と指摘する。
  • 原油の輸入価格は産地での取引価格や運賃を元に、日本の通関時に貿易統計へ計上される。唐鎌氏によると、米国産原油はアフリカ南端の喜望峰を経由する場合、輸送に45〜50日程度かかる。原油価格の変動が輸入額に反映されるまでには3.0〜3.5カ月かかる可能性があるという。
  • 米指標油種のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近12月物は日本時間21日、1バレル99ドル前後で推移した。足元の原油高は2027年に入ってからも輸入額を押し上げ、貿易赤字を拡大させる懸念がある。
  • 唐鎌氏は「26年は石油備蓄の放出で原油輸入を抑えたが、27年は放出がなければ年10兆円以上の貿易赤字となる可能性もある」と話す。
  • 原油高騰は液化天然ガス(LNG)価格にも波及する。9月のLNG1トンあたりの輸入単価は前年同月比5割増の12万3574円だった。日本は原油価格に連動したLNGの契約が多く、LNG価格は原油価格の値動きに数カ月遅れて反映される。LNG価格の上昇は、ボイラーなどを使う食品・製造業の生産コストや、家計の電気・ガス料金にも影響する。
  • エネルギー高による貿易収支のさらなる悪化は、円売り・ドル買いの需要が高まり円安の進行にもつながりかねない。
  • 9月単月の貿易収支は5365億円の赤字だった。赤字は5カ月連続。輸出が17%増の10兆9722億円で、輸入は19%増の11兆5088億円だった。半導体関連も輸出入額を押し上げた。