(11/28追記)
ライバー向けの確定申告セミナーを開催しました。
セミナー動画や資料はこちらからご確認いただけます。
新型コロナウイルスの影響により、さらに人気が出てきたライバーという職業。
配信サービスを通してライブ配信を行っている人を言い、
「Pococha(ポコチャ)」、ライブ配信アプリ「17Live(イチナナ)」、「SHOWROOM(ショールーム)」、「BIGOLIVE(ビゴライブ)」などが代表的なアプリとして挙げられます。
ライバーの収入は「投げ銭」といって、視聴者がライバーに投げ銭といわれるギフトやアイテムをわたすことで収入が発生します。
この収入による所得も、YouTuber同様、税務署に申告(=確定申告)し、税金を支払う必要が出てきます。
今回はライバーの確定申告について解説していきます!
「確定申告は必要?」「税金が返ってくるって本当?」等の副業の関する全般事項は、
「副業の確定申告ってどうやるの?~副業の確定申告 全般編~」で解説していますので、まずはそちらをご覧ください。
副業の場合、利益20万円、本業の場合48万円を超えたら確定申告が必要です!
目次
【副業(雑所得)or本業(事業所得)、どっち?】
「副業の確定申告ってどうやるの?~副業の確定申告 全般編~」の【副業(雑所得)と本業(事業所得)ってどう違うの?】で解説している通り、
ライバーの投げ銭による収入が事業所得であれば、雑所得の場合よりも税額が安くなる等、税務上メリットがあります。
ライバーとして獲得した収入で生計を立てていれば事業所得、給与所得など本業の収入で生計を立てていれば、ライバーとして得た収入は雑所得と考えていただければOKです。
なお、サラリーマンでも、定期的に継続してライブ配信を行っており、安定した売上高がたっている場合等は事業所得と考えられることもあります。
事業所得として申告する場合には、事業として行っている旨を税務署に説明できるようにしておきましょう。
【申告前にやること】
確定申告を行うためには、収入額を把握すること、経費額を集計すること、所得控除の資料を集めておくことが必要となります。
これらを把握しなければ取引を記帳することや、申告書を作成することができません。
収入額の把握方法は後述の「【収入の確認方法は?】」、
経費額の把握方法は後述の「【なにが経費になる?】」、
所得控除の資料は後述の「【確定申告で必要な資料は?】」をご確認ください。
また、事業所得の場合は、開業時に「開業届」「青色申告承認申請書」を忘れずに提出しましょう!
開業届等の詳細は「副業の確定申告ってどうやるの?~副業の確定申告 全般編~」ブログをご参照ください。
【どの時点で収入になる?】
ライバーの獲得する報酬の多くは、ダイヤやロイヤリティ-というようなものをライブ配信により獲得し、これらを換金することで現金化しています。
では所得を構成する収入が発生するタイミングはダイヤ等を獲得した時点でしょうか?それとも換金時点でしょうか?
この点、ダイヤは獲得から180日以内に換金しなければ失効してしまい、一定のダイヤ数(5,000ダイヤ)や一定の換金額を超えなければ換金できません。
また、運営会社が倒産、ポイント・ダイヤを廃止する可能性や、
17Liveのロイヤリティのように、換金率がPayPalへ支払われるタイミングまで定まっていない場合もあります。
そのため、換金可能ポイントに達するまでは使用できないことや、
ダイヤやポイントを獲得した時点では失効してしまう可能性があることから、
獲得時(換金前)は所得と考えず、
換金時に所得と考え、収入額に含めることになります。
参考:「企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について」
※詳細は顧問税理士等の専門家やお近くの税務署にお問い合わせください
【収入の確認方法は?】
・Pococha(ポコチャ)から直接収入を得ているフリーライバーの場合
Pocochaの報酬はライブ配信によって得られた「ダイヤ」を換金することで得られます。
換金額はPococha.comのWebページから確認できます。
① Pococha.comのWebページへアクセス
② 画面上部[ダイヤ交換(黄色の丸に青いダイヤマーク)]→[ログイン]→[交換/換金履歴]→[換金]から換金額を確認
<注意>
ダイヤは最後に使用・取得した日から180日間が有効期限となります。
ダイヤ獲得から181日以上経過するとダイヤは失効してしまうので、180日以内に換金するようにしましょう。
なお、実際の振込額は源泉徴収といって、上記「換金額×10.21%」の税金の前払い分が
控除された額でDeNAからライバーに振り込まれます。引用元:Pocochaヘルプ
収入額はあくまで「換金額」ですので、ご注意ください。
控除された「換金額×10.21%」は確定申告書上、収入額ではなく「源泉徴収税額」とい項目に記載することになります。
源泉徴収の詳細は「副業の確定申告ってどうやるの?~副業の確定申告 全般編~」ブログ内の【確定申告を行うメリット】をご覧ください。
一般ライバーの場合、
17Liveの報酬はライブ配信によって得られた「ロイヤリティ」をPayPalに換金、または銀行振込してもらうことで得られます。
換金額はPayPalの取引明細や銀行の明細から確認可能です。
以下はPayPalの取引履歴から確認する方法です。
① [取引履歴]を開く
② ページ右にある[明細書]をクリックし、その後[カスタム]をクリック
③ 取引タイプ、日付範囲、ファイル形式を選択
④ [レポートを作成]をクリック
⑤ 17Liveからの報酬額を集計
引用元:PayPal ヘルプ
認証ライバーの場合は末締で2か月後の自動で振込入金され、
毎月の報酬額、源泉徴収額が17オフィシャルからメールで届きます。
また、2月上旬に17Liveより年間報酬額が対象ライバーへEメールで送付されます。
(参考 ロイヤリティの確認方法)
ロイヤリティ額はこちらから確認できますが、確定申告に使用する収入額はあくまでPayPalへの換金額になります。
① 配信ロイヤリティの場合:
マイページ>もっと見る>ロイヤリティ>ロイヤリティレポート>今月のロイヤリティ
②17Qの場合:
マイページ>もっと見る>ロイヤリティ>17Q賞金
引用元:17Live よくある質問
SHOWROOMは締め日時点での評価ポイントが2000ポイントを超えると、
分配金として評価ポイント1ポイントにつき1円がSHOWROOMに事前登録した口座に振り込まれます。
支払レポートはSHOWROOMアプリ内で確認できます。
なお、実際の振込額は源泉徴収といって、上記「ポイント換金額×10.21%」の税金の前払い分が
控除された額と決済手数料が控除された額がSHOWROOMからライバーに振り込まれます。
控除された「ポイント換金額×10.21%」は確定申告書上、収入額ではなく「源泉徴収税額」とい項目に記載することになります。
また、決済手数料は後述の必要経費で「支払手数料」として集計します。
源泉徴収の詳細は「副業の確定申告ってどうやるの?~副業の確定申告 全般編~」ブログ内の【確定申告を行うメリット】をご覧ください。
BIGOLIVEの報酬はライブ配信によって得られた「ビーンズ」をPayoneerに送金することで得られます。換金額はPayoneerの取引明細から確認可能です。
換金額はPayoneerの取引照会から確認できます。なお、Pocochaと異なり、源泉徴収はされていませんのでPayoneerへの換金額=収入額となります。
上記3例同様、換金時点で収入になりますので、換金額の確認=収入額の確認となります。
源泉徴収がされている場合は報酬額(源泉徴収税額が控除される前の報酬額)と源泉徴収税額をそれぞれ把握する必要があります。
ライバーのマネジメント会社等に所属し、マネジメント会社から収入を得ている場合はマネジメント会社から年明けに「支払調書」という書類が届きます。
ただし支払調書を発行する義務はないため、貰えない場合は自身での売上集計が必要です。
また、源泉徴収額の10.21%が、税金の前払いとして天引きされ、残った額を配信者が受け取っています。
企業から年明けに「支払調書」という書類が届きます。ただし支払調書を発行する義務はないため、貰えない場合は自身での売上集計が必要です。
また、源泉徴収額の10.21%が、税金の前払いとして天引きされ、残った額を配信者が受け取っています。
給与所得がある場合はお勤め先で源泉徴収票が発行されるため、当該源泉徴収票にて、給与所得額を確認することになります。
【なにが経費になる?】
経費はその収入を得るために直接使った費用です。
「その収入を得るために必要か」、「事業に関連するか」、「客観的に合理性があるか」が経費になるかどうかのポイントです。
ライバーの場合、動画の制作や動画の内容に関係があるかどうかが経費のポイントになります。
ライブ配信に関する経費は一般的に以下のものが考えられます。
なお、()内は想定される勘定科目です。
・ライブ配信に使用する機材やスマホ代※
(青色申告の場合、30万円以上は器具備品やソフトウェアとして資産計上、
30万円未満は消耗品費 白色申告は10万円以上の場合資産計上)
・Wi-Fi等の通信費(通信費)
・撮影場所の賃料・光熱費等※(地代家賃や水道光熱費)
・ライバー仲間との打ち合わせ代(会議費や接待交際費)
・ライブ配信のための旅費や交通費(旅費交通費)
・商品のレビュー動画のために購入した商品代(備品・消耗品費)
・視聴者プレゼントの購入費用(広告宣伝費)
・実況したゲームの購入代(備品・消耗品費)
・大食い動画、レシピ動画、食レポ動画等の食品代・飲食代(消耗品費)
・化粧品のレビュー動画に使用した化粧品代(消耗品費)
・動画の編集を外注した際の費用(外注費)
・マネジメント会社へのマネジメント費用(支払手数料)
・換金する際の手数料(支払手数料)
・税理士への報酬(支払報酬)
・帳簿作成に使用したクラウド会計の費用(通信費)
上記はあくまで一例です。
経費は収入額から控除することができるため、経費にできるものを経費計上しないと税金を多額に支払ってしまうことになります。
そのため、なにが経費になるかは確認しておきましょう。
また、確定申告時に経費額を集計できるよう、領収書は保管しておくようにしましょう。
※自宅家賃やスマホ購入代、通信費等、1つの支出について個人利用分と事業利用分がある場合は、個人利用分と事業利用分を按分する必要があります。
事業利用分のみを必要経費にする考え方を「家事按分」といい、この按分基準は合理的に説明可能なものである必要があり、
税務調査で指摘されやすい点でもありますので、説明可能な比率で按分して経費計上しましょう。
説明可能な比率での按分が行われていなかったり、明らかにプライベートの支出については税務署で否認される可能性が高いことに注意が必要です。
過去、ライブ配信のために衣服代や美容院代を経費として計上し、そのすべてが税務署から否認された事例がありますので、ご留意ください。(国税不服審判所 平成26年5月22日裁決)
【確定申告で必要な資料は?】
所得から控除できるものとして様々な所得控除があります。
ライバーを事業として行う個人事業主の方に関連することが多い所得控除と、必要な資料は下記の通りです。
所得控除 | 関連する資料 |
社会保険料控除 | ・国民健康保険料、国民年金保険料当の支払時の領収書
・保険会社から送付される生命保険料の控除証明書 |
医療費控除 | ・医療費の領収書や明細書 |
寄付金控除 | ・ふるさと納税の「寄付金受領証明書」 |
住宅ローン控除 | ・銀行から届く住宅ローン残高証明書 |
住民税は必要経費や所得控除の額には関連しませんので、ご注意ください。
※サラリーマンの方は、お勤めの企業で年末調整を行うことでこちらが完了していることが多いため、上記は個人事業主の方を前提にしています。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
今回はライバーの確定申告についてまとめました。
Takeoffer会計事務所ではライバー方の確定申告業務も承っております。
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