「逆内外価格差」を変革に生かせ
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240126&ng=DGKKZO77949950V20C24A1TCR000

●今日も「東京のマンション価格高騰」「自民党派閥解消」など、最近のトピックスの続報があるが、日本の将来に向けた提言を述べる記事を掲載します。
1980年代半ばから90年代にかけ、日本の物価が海外より大幅に高いという「内外価格差」が生まれ、是正を呼びかける主張が続いていた。
●有名なビッグマック比較によれば、2023年7月時点で日本の450円に対し米国は5.58ドルだった。ここに最近のドル円相場の1ドル=145円を適用すると、米国の円建て価格は809円と日本の1.8倍になる。つまり現在は「逆内外価格差」
●これを円ベースで同じ価格にする為替相場は1ドル=80円となり、この点を重視すれば論理的には今後大幅な円高。
逆内外価格差を解消するには、1)日本のインフレ率が米国を継続的に上回るか、2)円高になる必要がある。低インフレが続いてきた日本の物価上昇率が米国を継続的に上回ることは想定し難いとすれば、円高による解消が現実的というのが筆者の主張。
●そうは言っても今後はしばらくは円安修正が限定的で、かなりの逆内外価格差が維持され輸入コストの高止まりなどが続くことと、将来の円高にも耐えられる強じんな経済構造を今のうちに築いておく必要があると述べている。
●90年代は円高が続いても、日本の製造業が強かったために貿易収支の黒字が続いたが、現在は訪日客増加に伴う黒字分を、ソフトウエアやライセンス料などデジタル関連の赤字拡大が打ち消しており、日本の貿易財の競争力低下が目立ち、これが円安持続の一因となっている。
●これを解消するには、訪日客対応などサービス業の効率化を図ることやデジタル分野で競争力を高め日本の経済構造を強くすれば自然に円安は修正され、逆内外価格差も是正されていく可能性が高く、経済的に住みやすい日本になるという。