イラン、背水の「原油高」作戦 インフレあおりトランプ氏に圧力https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD044N40U6A300C2000000/
【コメント】
- 毎日イランです。この戦争は日本に住んでいる我々の生活にとって大きな影響がありますので注視要です。
- イランとアメリカはもはやチキンレースの様相を呈している感じがします。
- 軍事力で劣るイランは、ホルムズ海峡を封鎖し「一滴の石油も域外に出させない」「価格は(1バレル)200ドルになるだろう(現在は80ドル)」と言い始めています。また海峡封鎖だけでなく中東各国の原油施設への攻撃も行っています。
- これに対しトランプ大統領は絶大な軍事力を背景にイランの現政権を壊滅すべく長期戦を示唆しています。ただトランプ大統領は秋に中間選挙を控え「アフォーダビリティー(価格の手ごろさ)」を提言していますので、原油価格高騰を起因とした物価高はトランプ支持に大きなダメージを与えます。これがイランの意図、作戦です。
- ロシア/ウクライナ紛争の際には原油価格は140ドルに迫りました。イランは200ドルになると吹聴していますが、戦争が長期化すれば現実味をおびてきます。原油は単にガソリンなどだけではなく、広範囲の生活必需品に使用されており、価格が高騰すれば我々の生活を直撃します。
- 日本の株価も毎日1,000〜2,000円の大きなレベルで上下動を繰り返しています。異常です。昨日は1,000円程度上昇しましたが、今日は同程度の下落があるかもしれません。
- おまけですが、、、
- 中東地域には大別して3種類の人種が暮らしています。 イラン=ペルシャ人、イスラエル=ユダヤ人、その他中東諸国=アラブ人 です。 どうもアラブ人とユダヤ人は、歴史的、遺伝子的に「兄弟」に近いとのことです。よって、「イスラエル+その他中東諸国 対 イラン」という構図になるようです。
【記事概要】
- 米国とイスラエルの攻撃を受けるイランは、ホルムズ海峡封鎖や周辺産油国への攻撃で原油高を強引に招く道を選んだ。軍事衝突が長期化すれば、原油は1バレル100ドルを超えるおそれもある。イランはインフレ懸念をあおり、マーケットの力で停戦を迫る狙いだ。トランプ米大統領は原油急騰を抑えようと策を巡らす。
- 「一滴の石油も域外に出させない」。イランがエネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡の封鎖を表明した2日、革命防衛隊幹部は「価格は(1バレル)200ドルになるだろう」と主張した。
- 露骨な脅し方がイランの狙いを物語る。長期戦の政治的コストを膨らませ、トランプ氏に戦場と別の土俵で停戦圧力をかけることだ。サウジアラビアなど親米産油国の石油生産施設を攻撃したのも、この一環だ。
- 情勢緊迫で北海ブレント原油先物は3日、一時1バレル85ドル台と1年7カ月ぶりの高値をつけた。ホルムズ海峡は世界の石油と天然ガスの2割が通る。欧州の天然ガス指標のオランダTTFは開戦前に比べ一時7割上昇した。
商品市況、軒並み上昇
- 影響はエネルギーに限らない。アルミニウムはロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物が3年11カ月ぶり高値をつけた。「電気の缶詰」と呼ばれ、製錬に使う電力が安い中東産油国が輸出国の上位に顔を出す。天然ガスからつくる尿素も供給に懸念が出ている。
- 海上輸送も圧迫され、ばら積み船の総合的な市況を示すバルチック海運指数は3カ月ぶり高値圏にある。国際商品の総合的な値動きを示すFTSE・コアコモディティーCRB指数は2022年半ば以来の高さだ。国際通貨基金(IMF)は米イスラエルのイラン攻撃を受け「世界経済環境の不確実性が増している」と警告した。
- とりわけトランプ氏が神経をとがらすのが原油高だ。「エネルギーの自由な流通を保証する」。3日、ホルムズ海峡を通るタンカーを米海軍が護衛すると表明した。交戦のさなかに海軍艦艇を割けるか疑問だが、同氏の焦りが透ける。あわせて、ペルシャ湾を航行する船に適正価格の保険を提供するよう米国際開発金融公社に命じた。
- 原油高といっても、22年にロシアがウクライナ侵略を始めた直後に140ドルに迫ったのと比べまだ水準は低い。市場がもともと供給過剰で、早期の戦闘収束なら相場も元に戻るとの観測からだ。
海上封鎖1年なら、日本のGDP「0.65%押し下げ」
- 泥沼化すれば状況は一変する。英ウッドマッケンジーは「タンカーの動きが速やかに回復しなければ、100ドルを上回る可能性がある」と予測した。野村総合研究所の木内登英氏はホルムズ海峡の完全封鎖が1年続く場合、1バレル140ドルになると想定し、日本の実質国内総生産(GDP)を年0.65%押し下げると試算した。
- 英キャピタル・エコノミクスは2日、90〜100ドルに上がると先進国のインフレ率を0.7ポイント押し上げるとの推計を示した。既に米国でもガソリン高が進み、全米自動車協会(AAA)によると、ガソリン平均小売価格は1ガロン3ドル強と1カ月前から1割近く上がった。
- 「アフォーダビリティー(価格の手ごろさ)」が焦点の米中間選挙は11月に迫る。トランプ氏は有権者の物価高への怒りを恐れ、適当な「戦果」を誇って戦闘を切り上げるのではないか。これがイランの期待する筋書きだ。
- 軍事力では米イスラエルに圧倒されるとイランは熟知し、封印してきたホルムズ海峡封鎖を実行し近隣産油国の民間施設まで攻撃した。イラン自身も輸出の大部分を停止したとの報道がある。開戦前まで大部分を輸出していた中国向けも停滞は避けられそうにない状況だ。
- 世界を敵に回し、近隣国の参戦を招きかねない劇薬だが、そうするしかないほど追い詰められている。イランの体制の存亡をかけた「捨て身」の戦法に、トランプ氏はどこまで政治的リスクを取って戦争を続けるのか。原油高の行方は、突き詰めるとこの一点にかかっている。
