参院選の自民候補、公約とズレ 出馬予定者調査 「消費税減税」4割が回答 「赤字国債を容認」3割
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250627&ng=DGKKZO89645450X20C25A6MM8000
【コメント】
  • 参議院選挙戦が間も無く始まりますが、自民党のていたらくが候補者へのアンケート調査で明らかになってきています。
  • 自民党の公約は、「財政規律を保つために消費税を含め減税は行わない。」です。大変理にかなった公約だと感じます。今の日本の状況で赤字国債を増加させるような政策をとれば、日本国債の格付けは投資不適格に下がり、国債の支払金利は高騰します。長期国債が高金利でも売れなくなってきている現況に輪をかけた状況に陥ります。日本国債が格下げになると国債だけでなく、日本企業の資金調達にも大きなダメージがあります。日本経済にとってネガテイブに作用します。
  • このような状況下で、自民党公認で選挙に出る候補者の多くが、「消費税減税賛成、赤字国債やむなし」との回答のようです。まるで野党と同じ政策志向です。
  • 党の公約と立候補者の公約が凄まじく違うということがあって良いものなのでしょうか?「消費税減税賛成、赤字国債やむなし」との思想をもつ候補者は自民党ではなくどこかの野党から出馬すべきです。このような自民党候補者には私は絶対に票を入れたくありません。皆さんはどうお考えでしょうか?
【記事概要】
  • 日本経済新聞社は参院選の立候補予定者に書面で政策の考え方を聞いた。消費税率について自民党は4割が「減税すべきだ」と回答した。社会保障費の財源として減税を盛り込まなかった公約と食い違いがある。財政運営に関して3割が赤字国債(の増発を容認した。
  • 参院選は7月3日公示―20日投開票。6月25日時点の集計で選挙区と比例代表を合わせて467人が立候補を予定する。日経のアンケートは4月下旬から始め、6割超の293人が回答した。このうち自民、公明両党は8割近くが答えた。
  • 参院選は原則10%の消費税の扱いが争点になる。野党各党は物価高対策として減税や廃止を掲げる。自民、公明両党は社会保障を支える財源だと訴え、維持する方針だ。
  • 政府・与党が6月にまとめた経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)は「減税政策よりも賃上げ政策こそが成長戦略の要」と記した。石破茂首相は23日に「安定財源なしに減税するような無責任なことはできない」と語った。
  • ところがアンケートをみると、自公は候補者と公約に違いがある。自民は消費税率を「維持すべきだ」が40%にとどまった。「食料品などの軽減税率8%は引き下げるべきだ」は32%、「引き下げ・廃止すべきだ」は11%で減税・廃止は合計43%に上る。公明は「軽減税率8%は引き下げるべきだ」が7割、「どちらともいえない」が3割だった。「維持すべきだ」の回答はなかった。両党とも公約を決める際に減税を求める声があった。各候補者が減税の立場を崩さず当選すれば、選挙後に減税論が再燃する可能性がある。
  • 候補者全体でみると「軽減税率8%は引き下げるべきだ」が26%、「引き下げ・廃止すべきだ」が50%で減税・廃止が計76%だった。
  • 立憲民主党は公約に2026年4月から原則1年間、食料品の消費税率をゼロに引き下げると記した。同党の候補者は「軽減税率8%は引き下げるべきだ」が69%、「引き下げ・廃止すべきだ」を合わせると9割だった。
  • 日本維新の会は「軽減税率8%は引き下げるべきだ」が8割、国民民主党は「引き下げ・廃止」が8割近くを占めた。いずれも党の公約に沿った回答が大半だった。
  • アンケートは社会保障費が拡大するなかでの財政規律の考え方もたずねた。回答は負担増や給付減を避け、立場を曖昧にする傾向が強かった。
  • 全体で「増税・社会保険料の引き上げを検討すべきだ」は2%、「給付を減らすべきだ」は6%にとどまった。「赤字国債の発行が増えることもやむを得ない」は29%で、「どちらともいえない」が63%に上った。
  • 自民の候補者も「どちらともいえない」が68%を占めた。赤字国債の増発容認は27%と3割近かった。同志社大の吉田徹教授は「政権が示した方向性と候補者の主張とで食い違いが起きるのは、石破政権の基盤の弱さを表している」と語る。