昨今の働き方改革や新型コロナウイルスの影響により、副業を始める方が多くなっています。

また、YouTuber、ライバー、Uber Eats配達員を本業にする方も増えてきました。

 

副業やYouTuber、ライバー、Uber Eats配達員の確定申告はどうやって行うのでしょうか。

そもそも確定申告は必要なのか?申告するといいことはあるのか?開業したら最初に何をすればいい?確定申告はいつから準備すればいい?

そんな副業の確定申告に関する疑問点について、解説していきます!

 

💡この記事のポイント

✓副業の場合は所得(利益)が20万円、本業の場合は48万円を超えたら確定申告が必要!※無申告の場合はペナルティ

✓確定申告することで、還付=お金がかえってくることも!

✓事業所得か雑所得かで、税金が大きく変わる!

✓開業したらすぐに「青色申告承認申請書」と「開業届」を税務署に提出しよう!

✓確定申告の準備は12月頃からはじめよう!

 

【確定申告って所得額がいくらから必要になるの?】

確定申告が必要となってくる所得額は、副業として行っているか(雑所得)、本業として行っているかどうか(事業所得)によって異なってきます。

所得とは、収入から経費を差し引いた額をイメージしてもらえれば大丈夫です。

 

副業として行っている場合は「雑所得」という所得に区分され、所得額が20万円を超えたら確定申告が必要となります。

一方、本業として行っている場合は「事業所得」という所得に区分され、所得額が48万円(=基礎控除額)※を超えたら確定申告が必要になります。

 

※事業所得の場合、基礎控除額を超えた所得額がある場合に確定申告が必要となります。

 よって「48万円」の部分は事業所得以外の個人の合計所得金額が2,400万円~2,450万円の場合は基礎控除額である32万円超、

2,450万円~2,500万円の場合は16万円超、2,500万円以上の場合は0円と読み替えてください。

 

副業の場合、利益20万円、本業の場合48万円を超えたら確定申告が必要と理解いただければ大丈夫です。

なお、確定申告は不要でも住民税申告は必要になりますのでご注意ください。

また、2年前の売上高が1,000万円をこえる方は消費税の申告も必要となります。

 

 

(参考)

住民税の申告は原則不要ですが、所得税で確定申告をしなかった方は住民税の申告書を自治体に提出する必要があります。

提出先は税務署ではなく各市区町村になりますのでご注意ください。参考に東京都世田谷区の住民税申告書はこちらです。

 

【確定申告を行うメリット】

確定申告を行うことで、経費を計上し所得額を減らすことができ、源泉徴収分(税金の前払分)された税金が返ってくる可能性があります。

上記で確定申告が不要の方でも、確定申告で税金が返ってくる場合があることを知っておきましょう。

どんなときに税金が返ってくるのでしょうか。

 

<必要経費を計上することで源泉徴収分がかえってくる!>

源泉徴収とは税金の前払いのことをいい、業務委託等の報酬額から既に一定の税金が控除される仕組みです。

ここで、源泉徴収される税額は報酬額×10.21%です。

例えば、動画配信者のマネジメント会社から、YouTuberやライバーが報酬を受け取る場合にも報酬額から源泉税が控除された後の金額が配信者に支払われています。

しかし、報酬を受け取る側では様々な経費が発生しています。

本来の税額は(報酬額―必要経費)×税率になるはずです。

そのため、確定申告を行わないと必要経費×税率分の税額を余分に支払いすぎている状態になっています。

 

たとえば報酬を得るためにかかった経費が、報酬額の50%だった場合、還付額=返ってくる税金は以下のようになります。

なお、所得控除は誰でも控除される基礎控除48万円のみと仮定しています。

 

●本業でYouTuber・ライバーの方

⇒確定申告不要の方も、確定申告をすることで源泉徴収税額が全額返ってきます。

確定申告が必要な方も、源泉徴収額の一部が返ってきます!

(表クリックで拡大)

●平日はサラリーマン、副業でたまに動画配信を行っている方

⇒確定申告不要の方も、確定申告をすることで源泉徴収税額の多くが返ってきます。

確定申告が必要な方も、源泉徴収額の一部が返ってきます。

 

※サラリーマンの方はお勤めの会社で年末調整が終わっていますので、所得控除(基礎控除額)は加味していません。

(表クリックで拡大)

<赤字が出た場合には給与所得と損益通算することで源泉徴収分がかえってくる!>

事業として副業を行った場合、事業により獲得した所得は所得税法上「事業所得」となります(後述)。

その事業において赤字が出た場合、損益通算といって事業所得のマイナス分を給与所得と合わせることができるため、課税される所得が小さくなり、税金が還付されます。

なお、所得税は納めるべき税金がその年度の確定申告時にて安くなり(サラリーマンの場合は源泉徴収されているので、多くの場合還付が発生)、

住民税は翌年6月~5月の住民税特別徴収額(給与からの天引額)が本来の金額より少なくなります。

損益通算の詳細はのブログ「所得税の損益通算とは? ~事業所得、不動産所得が節税といわれる仕組み~」をご参照ください。

 

また、そのほかにも確定申告で発生する還付金がありますので、詳細については

こちらの「20万円以下でも申告した方が良い場合があるってホント!? 確定申告で発生する還付金について」をご参照ください。

 

【確定申告をしなかったらどうなるの?】

副業の収入が20万円または本業としての収入が48万円を超えているにも関わらず、

確定申告をしなかった場合は脱税になり、加算税といって多額の税金を支払うことになってしまいます。

YouTuberの広告収入やライバー、Uber Eatsの収入は振り込みになりますので銀行口座にお金の流れがしっかり残ります。

税務署より疑いの目を向けられないためにも、確定申告はきちんと行いましょう。

【副業(雑所得)と本業(事業所得)ってどう違うの?】

所得税法において、所得の種類は10種類に分けられ、それぞれの所得で収入や必要経費の範囲、所得の計算方法は定められています。

 

所得種類 所得の計算方法  ①青色申告特別控除

65万円or 55万円or 10万円

 ②損益通算
事業所得 総収入額―必要経費 あり あり
雑所得 総収入額―必要経費 なし なし

 

事業所得と雑所得で違いが出てくるのは「青色申告特別控除」と「損益通算」の部分です。

結論からいうと、事業所得のほうがお得です!

 

<①青色申告特別控除とは?>

青色申告とは、確定申告を行う際に、複式簿記等の方法により記帳する申告制度のことをいいます。

事業所得や不動産所得のある申告者は複式簿記により取引を記帳し、

貸借対照表・損益計算書を確定申告書に添付し法定申告期限内に確定申告を行うことで55万円を、所得金額から控除することができます!

また、申告書の提出をe-TAX(国税電子申告・納税システム)を使用して行うことor事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について電子帳簿保存を行うことで控除額が65万円に拡大します。

なお、上記55万円、65万円控除の要件に該当しない方でも10万円の控除を受けることができます。

なお、雑所得に青色申告特別控除はありません。

なお、青色申告特別控除の詳細についてはこちらをご参照ください。

また、青色申告であれば30万円未満の少額減価償却資産の特例=30万円未満の資産について取得時の費用として全額を経費にすることができます。

詳しくはこちらのブログをご参照ください。

 

<②損益通算とは?>

損益通算とは、各種所得金額の計算に生じた損失のうち、一定のものについてのみ、他の各種所得の金額から控除することができるというものです。

この一定のものに事業所得は含まれますが、雑所得は含まれません。

つまり、給与所得がある方が、事業所得としてYouTubeから収入を得ているものの、

赤字となっている場合、給与所得額から事業所得で生じた赤字が控除できるため、税金が返ってきます。

雑所得は損益通算できません。

なお、損益通算制度の詳細はこちらにもまとめていますのでご参照ください。

<事業所得になる場合は?>

では事業所得になるにはどのような要件を満たせばいいのでしょうか。国税庁によると事業所得として認められるには以下を満たすことが要求されています。

①    営利性・有償性の有無

②    継続性・反復性の有無

③    自己の危険と計算における事業遂行性の有無

④    その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度

⑤    人的・物的設備の有無

⑥    その取引の目的

⑦    その者の職歴・社会的地位・生活状況など

引用元:国税不服審判所>裁決事例集No.74 37項 別紙2

 

獲得した収入で生計を立てていれば事業所得、給与所得など本業の収入で生計を立てていれば、

YouTuberやライバー、Uber Eats配達員として得た収入は雑所得と考えていただければOKです。

なお、サラリーマンでも外注等を使ってお金をかけて動画を作成し、定期的に継続して動画をアップしている場合等は事業所得と考えられることもあります。

事業所得として申告する場合には、事業として行っている旨を税務署に説明できるようにしておきましょう。

【いつから準備すればいい?】

<開業して最初にやること>

まずは開業時に「開業届」「青色申告承認申請書」を提出しましょう!

青色申告による申告を行うと、事業所得※の大きなメリットである「青色申告特別控除」等、税務上さまざまな優遇を受けることができます。

※雑所得の場合は青色申告による申告ができませんので、提出不要です。

 

青色申告を行うには「青色申告によって申告しますよ」ということを税務署に申請する必要がありますので、事業を開始したらまずは下記2点を提出しましょう!

なお、書類名の選択で各申請書フォームに飛べます。

開業届の「職業欄」は、自由に申請して大丈夫です。

YouTuberやライバーの場合は映像制作や動画クリエイター、Uber Eats配達員の場合は配送業などが考えられます。

 

前述の通り、青色申告は所得額から最大65万円を控除できる「青色申告特別控除」等、様々なメリットがあります。

複式簿記等による帳簿作成義務がありますが、今はマネーフォワードFreeeのような、複式簿記を簡単に行えるクラウドサービスが登場しています。

もちろん、税理士に依頼することで、領収書等を税理士に丸投げし、青色申告の要件を満たすこともできます。

なお、青色申告承認申請書には期限がありますので開業後2か月以内に提出するようにしましょう!

引用元:国税庁HP

 

なお、既に開業している方でも来年の3月15日までに提出することで、来年度の確定申告分から青色申告を行うことが可能です。

 

<確定申告前にやること>

確定申告は1/1~12/31までの1年間に個人が得た所得を税務署に申告する制度です。

確定申告には期限が設定されており、毎年2月1日~3月15日付近に設定されています。

当該期限内に申告をしないと前述の青色申告特別控除を受けることができませんので必ず申告期限内に提出するようにしましょう。

(令和2年は新型コロナウイルスの影響により4月16日まで申告期限が延長)

個人事業主の年間スケジュールの詳細は、こちらのブログをご参照ください。

 

そのため、確定申告書作成時に用いる源泉徴収票等をもらう12月ごろから確定申告のための準備をしておくと、申告期限に慌てることなく確定申告を行うことができると思います。

また、12月中に経費等を整理し所得額をある程度推定することで、ふるさと納税の適正額がより正確に把握できます。

ふるさと納税についてはこちらのブログをご参照ください。

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。今回は副業の確定申告全般についてまとめました。

次回以降は

①YouTuber編

②ライバー編

③Uber Eats配達員編

とそれぞれの職業に分けて経費の範囲等解説していきます。

 

Takeoffer会計事務所では確定申告業務も承っております。

領収書等の必要書類を丸投げいただき、確定申告に係る業務を丸投げいただくことが可能です。

また、会計処理から税務相談まで幅広いアドバイスを行っております。

何かありましたら、お気軽にご相談ください。